とちぎテレビ

2022年真岡市の自宅で当時1歳だった息子に暴行を加え死亡させたとして傷害致死の罪に問われている当時19歳だった母親の裁判員裁判が24日、宇都宮地方裁判所で開かれ検察は懲役8年を求刑し、弁護側は懲役4年が相当と主張し結審しました。

傷害致死の罪に問われているのは、真岡市長田の風俗店従業員の大島美由紀被告21歳です。起訴状などによりますと、大島被告は2022年10月、当時住んでいた真岡市の自宅のリビングで、当時1歳だった息子の背中を足で蹴って転倒させ頭を床に打ち付ける暴行を加え脳に損傷を与えて死亡させたとしています。

初公判で大島被告は起訴内容を認め、刑の重さが争点となっています。

4月24日の裁判で検察側は「息子に対して行った行為は大人であっても危険と容易に認識できるもので事件を起こすまでの7カ月間、長期にわたり息子に対する虐待を繰り返した」と述べ「行政や第三者に相談するチャンスが何度もあったのに虐待を隠蔽しようとしたことは非難を免れず、死に至らしめた結果は重大」と指摘し懲役8年を求刑しました。

一方、弁護側は「ダメな母親だと思われたくないと育児に完璧を求めていた」と述べ「虐待をやめたいが夫の転職による育児負担の増大や金銭的な不安によるストレスも増え適切な対処や相談が出来なかった」などと主張しました。そのうえで「痛めつける目的で蹴りつけたわけではなく異変が生じた息子を病院へ連れて行っている。虐待や自分の非を認め深く反省している」として懲役4年の判決が相当としました。

大島被告は最終陳述で「正しい方法や行動がとれずとても後悔しているどう償えばいいかちゃんとした答えは出せていないが自分のダメなところを変えていきたい」と涙ながらに述べました。

判決は4月26日言い渡されます。