那須町で男女焼損遺体の発見から１週間 これまでの動きを振り返る
那須町の河川敷で、全身が焼かれた男女の遺体が見つかってから２３日で１週間となりました。
これまでに警視庁などは都内の交番に出頭した２５歳の男を死体損壊の疑いで逮捕していますが、事件には複数の人物が関わったとみて引き続き調べを進めています。
那須町伊王野の河川敷で遺体が見つかったのは１週間前の４月１６日でした。
仕事場に向かうために現場近くを車で通った林業の関係者が「マネキン」のようなものから煙が上がっているのを発見、その報告を受けた別の男性が警察に通報しました。
遺体で見つかったのは東京都千代田区の会社役員・宝島龍太郎さん（５５）とその妻とみられる女性です。
２人の遺体は手足を結束バンドで縛られ、顔には袋のようなものをかぶせた上で粘着テープが巻かれていました。
司法解剖の結果、２人の死因は首を圧迫されたことによる窒息死で、女性の頭部には複数の骨折があったということです。
遺体の発見から５日後の２１日、事件は動きました。
栃木県警と警視庁の合同捜査本部は、東京都内の交番に出頭し任意で事情を聞いていた埼玉県越谷市に住む建設業・平山綾拳容疑者（２５）を死体損壊の疑いで逮捕しました。
平山容疑者は宝島さんについて「名前も知らないし見たこともない」「栃木には行っていない」などと供述しています。
遺体の発見から１週間、死亡した宝島さんと女性の足取りが分かってきました。
捜査関係者によりますと、２人は那須町で遺体として発見される前日の午後９時ごろ、東京都上野の防犯カメラに平山容疑者とは別の人と歩いている姿が写っていたということです。
その約２時間半後の午後１１時半ごろには、品川区東品川で宝島さんがレンタカーのワゴン車から降り上野にいた複数の人と一緒に歩いている姿が防犯カメラに写っていたといいます。
これが現時点で宝島さんたちの生存を確認できる最後のものとされています。捜査本部は２人がその後、ワゴン車で移動し、都内の別の場所で平山容疑者名義の車に乗せられたとみています。
２人の遺体が発見される約３時間前の午前４時すぎには那須町の現場周辺に設置された防犯カメラに逮捕された平山容疑者名義の乗用車が写っていました。
午前４時１０分ごろに現場の方向に向かい午前４時４０分ごろに現場から離れる様子が確認されていることから、この３０分の間に２人は遺棄され火をつけられたとみられます。
警察は平山容疑者名義の乗用車で東京都内から栃木県まで移動したとみて、この車を押収しました。
捜査関係者によりますと押収された車の中からは血の痕が見つかっていて、鑑定の結果、宝島さんの妻とみられる女性のＤＮＡ型と一致したということです。
また車の中からは結束バンドや粘着テープ、宝島さんの妻の免許証が見つかっています。
平山容疑者はこれまでに「車を貸した」と供述していて、捜査本部は栃木県に向かう車に乗っていた人物の特定や経緯を調べています。
