『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』悪役はもともとニコラス・ホルトだった ─ 「全く違うものになっていた」と監督
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023)では当初、敵役に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)や『X-MEN』シリーズのニコラス・ホルトが起用されていたのをご存知だろうか。トム・クルーズからの直オファーで役を勝ち取ったホルトだったが、コロナ禍の影響によりスケジュール調整が困難となり、降板を余儀なくされていたのだ。
「ニックが離脱していなければ、映画は全く違うものになっていたでしょう」。そう語るのは、本作で監督を務めたクリストファー・マッカリー。米公開当時、番組でホルトのキャスティングをめぐる経緯を振り返り、彼の離脱が物語に与えた影響を明かしていた。
マッカリー監督によれば、ホルト起用のきっかけとなったのは、トムが主演を務めた映画『トップガン マーヴェリック』(2022)。同作のオーディションに参加したホルトは落選したものの、そこでの演技をトムが絶賛。「トムは、あの映画では(ホルトへの)適役はないと思っていましたが、彼のことを最高に才能のある俳優だと見込んでいました」とマッカリーは振り返る。
その後、トムはホルトに『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の敵役をオファーした。なんとこの時、脚本は完成しておらず、ホルトは演じるキャラクターがわからないまま出演を承諾していたという。つまり劇中のヴィラン、ガブリエルや世界を危険に晒す人工知能エンティティが存在する前でもあったということだ。
ガブリエル役としてホルトの後任に起用されたのは、『バッド・ボーイズ』(1983)や「クリミナル・マインド FBI行動分析課」シーズン9、10などに出演したイーサイ・モラレス。俳優としてのキャリアは40年以上にも及ぶが、大作映画への出演は本作が初となった。マッカリー監督は「オザークへようこそ」(2017-2022)でメキシコの麻薬密売組織の幹部を演じるモラレスを見て、起用に至ったという。「彼はすごく良い悪役になると思いました」。
©2023 PARAMOUNT PICTURES.モラレスは、トムと同い年の1962年生まれ。2人の年齢の近さが物語の幅を広げることに貢献したのだとか。マッカリー監督が「イーサイとトムは同じくらいの年齢なので、イーサンの過去に関する可能性を開いてくれました」と語っているように、劇中ではIMFに入る前のイーサンが描かれ、その過去にはモラレス演じるガブリエルが大きく関わる。
モラレスの参加によって、「当時はまだ何なのか分かっていなかった物語への扉が開かれることになりました」とマッカリー監督。一方、「ニックが離脱していなければ、映画は全く違うものになっていたでしょう」とも語り、ホルト降板後の影響を明かした。
ちなみにホルトは以前、『デッドレコニング PART ONE』での降板劇を振り返り、「『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』に続投することになっていたので、降板しなくてはならなかったんです」と。大作への出演を惜しくも逃してしまったホルトだが、次回作はDCユニバース刷新後の映画第1弾『スーパーマン(原題)』で、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサー役という大役を担うことになる。
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