「アメリカ人」が「日本の白子」に言葉を失った…その後、「実食」して飛び出た「意外な感想」

写真拡大 (全2枚)

体験型を重視するインバウンド観光

インバウンド観光客数はコロナ禍前を上回り、旅行消費額は5兆円超えと過去最高を記録したことがわかった。また、消費項目の構成比は宿泊費と食費の割合が増え、買物費が減ったことが判明し、「ものより体験」を重視する傾向に変化しているようだ。SNSでの個人的な情報収集が主流になりつつある昨今、団体旅行ではなく個人旅行で行程をカスタマイズするインバウンド観光客も多い。個人的な発信がインバウンド観光客に影響を与えることも珍しくない時代だ。

そこで本記事では、SNSで話題の日本食YouTubeチャンネル「MomokaJapan」をご紹介。道行く外国人に声をかけ、日本食を一緒に堪能する内容だ。関西出身のMomokaによる気さくな声掛けと日本愛のある外国人による会話が関西弁の字幕とともに繰り広げられる。豊かなリアクションが見どころだ。2017年に始動した本チャンネルは登録者数80万人を超え、日本食を発信するチャンネルの先駆け的存在だ。

視聴者からも「美味しそうに食べてくれてこちらも幸せ。」「素直に反応してくれて癒される。」「日本人で良かったと思わせてくれる。」「Momokaさんの優しさとおもてなしの心がまさに理想の日本人ですね。」と暖かいコメントが寄せられている。

渋谷の街中で出会ったのは3人の若者。ベルギー出身のフロリアンさん、アメリカ出身のホーンさんとレベッカさん。皆日本に来て2か月だそうで、異国の生活にも慣れ親しみつつ日々発見のあるちょうど楽しい時期だろう。「渋谷は憧れの街だからワクワクしてる。」「日本で生活ができて最高!日本語を勉強してるんだ。」「めちゃくちゃ楽しい!念願の渋谷!」と朗らかに話す。

早速訪れたのは、創作和食が自慢の「渋谷きときと」。入り組んだ建物の内部にあり、表には立て看板があるだけなため、慣れていない外国人はなおさら日本人でも気づかないかもしれないレストランだ。店名の「きときと」は、富山弁で「新鮮」を意味し、富山産のものを中心に、旬な食材を生かした料理がいただける。和食のシェフとフレンチのシェフが編み出す創作的な料理は見栄えも抜群。

3人とも「期待値上がるね!」「こんなおしゃれな居酒屋、僕初めて来ました。」「緊張するけど楽しみ〜」と気持ちが昂っている。Momokaさんの気の利くお店選びは、外国人と日本の視聴者ともに定評がある。日本食のレパートリーが多く、外国人の知らないメニューが続々登場し、カジュアルでありながらおしゃれな雰囲気のお店が多い。

フルーツサワーとカルピスで乾杯すると、日本についてそれぞれ語ってくれた。「5年前に日本へ旅行に来たことがあるんだけど、本当に素晴らしい時間だったの。映画で見て憧れていた日本は、実際に来てみるともっと凄かった。」「夢の中にいる感覚よ。日本について勉強してきたつもりだけど、実際に来て日本を体験すると新しいことばかりでクレージー。異世界って感じね。」と好奇心は収まらないようだ。

特に絶賛していたのは「日本は駅でポイ捨てする人いないし、ゴミが道に落ちてるのを見かける事がほぼないの!夜は少し汚いけど、朝になると綺麗に清掃されてる。」「他の国は道に黒いシミがあるのをよく見るけど、みんなが道にガムを吐き捨てるからなんだ。」「アメリカの街をみんなに見せてあげたいくらいだわ。日本は著しく清潔だよね。」「他人を尊重する文化に感動しました。」と公共マナーを守る姿に自国との国民性の違いも感じた様子。

最初に頼んだのはなんと白子。3人とも料理自体を知らないため、「魚の精巣だよ。」と説明すると「マジかよ。」「めちゃくちゃ楽しみ(笑)」と半信半疑の様子。実物を見ると得体の知れない白い物体に、不安げに苦笑いしてしまう。ひと口味わうと、よく噛みしめながら「うん、いいね。」と吟味しつつ「良い意味で予想外だね!」「正直旨い!はじめは塩味があって、食感がトロっとしてて、クリーミーなんだ。」と悪くない反応。まだ躊躇っていたレベッカさんに「意外と美味しいよ。」「まさか美味しいとは(笑)」と勧める。レベッカさんも「あれ?これ好きかも!」と好感触だが、「味は美味しいけど食感がね(笑)精神的な慣れが必要だね。」と正直な感想を言ってくれた。何より、外国人だけだとなかなか食べる機会が無かったであろう白子を食べられて喜んでいた。意外と白子の受けが良かったのは日本人としても嬉しい発見だ。

実際海外の日本食事情を尋ねると、「アメリカにも寿司はあるけど、まるで別物だった。味も質も違うから、カルチャーショックを受けるわ。」「ベルギーには日本食といえば寿司屋しかない。その他の日本食は存在さえ知らなかったよ。」と話す。

次に運ばれてきたのは、またしてもニッチなメニュー、銀杏の素揚げ。Momokaさんが「イチョウの木を知ってる?」と振ると「あの変な匂いがするやつね!」「食べれるの?!」と驚く3人。1粒食べると「ワアッ!」と声を揃えて顔を見合う。「ちょっと苦いけどこれ好きだよ!」とグーサインを出してくれた。「塩が効いててハマりそうな美味しさだね。」と日本人好みの味付けを分かってくれているようだ。10粒以上あった銀杏はあっという間に完食された。

次に運ばれてきたのは刺身の盛り合わせ。新鮮でプリプリとした厚切りの赤身と脂身が目にも美味しい。「わああお!ハンパない!」と顔を輝かせる。炙りしめ鯖、水だこ、ブリ、真鯛、サーモンの盛り合わせだ。

初めにブリをいただくと「う〜〜ん」と唸り、目を丸くして「美味しすぎる。」と一言。「私、生の魚は食べ慣れてないから苦手だけど、これは超美味しい。」「脂が乗ってるね。これがブリって言うんだね。」と感心していた。次にいただいたのは炙りしめ鯖で、特にベルギー出身のフロリアンさんが「これハンパないって!もはやクレージー。」と珍しく大きく反応し、「表情から伝わるわ(笑)」とレベッカさん。視聴者からも「反応が素直で可愛いですね。」「感情が伝わってくる!」と寄せられていた。続く真鯛やタコも「ワオ〜」「最高だね。」と好反応で、日本で食べる本物の刺身をやっと味わえたのだった。

次に運ばれたのは、富山産氷見牛を使った和牛ステーキ。かぼちゃやキノコ、ナスなどがフレンチらしく添えられている。「なんでワサビがついてるの?」と聞かれ「和牛には霜降りが沢山入っているから、ワサビと食べるとさっぱり食べやすくなるの。」と言うと「ワオ〜めっちゃ日本ぽいな!」と興味津々。「う〜ん」と幸せそうに唸りながら「お肉がとろけちゃうなんて。」と言い、ほっぺを抑える。「お肉の概念が変わるね。」「念願の和牛やっと食べれた。こんな美味しい和牛が存在したなんて。」と気持ちよく頬張ってくれる。しかし、ワサビは付けない方が好みらしい。

最後に運ばれてきたのはカニクリームコロッケ。西洋でも馴染みがありそうだが、発祥は日本の洋食店。カニの旨みが凝縮され、海の幸に恵まれた日本ならではのアレンジレシピ。「考えた人天才!」とカニのほのかな味をしっかり味わっていた。

食事を終え、3人は「新鮮で美味しいの極みでした。感謝でいっぱい。」「こんな経験ができて本当に嬉しいです。」と感謝していた。Momokaさんと出会えなかったら食べれなかったものばかりだっただろう。新しい日本食を堪能した3人の反応を見ると、インバウンドにおける日本食需要はまだまだ発展の余地がありそうだ。

カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言