新社会人にとって入社後しばらくは初めての経験ばかり。そのような日々の中で心がけたいこととは?(写真:8x10 / PIXTA)

学校を卒業して社会人になったり、転職や異動をしたり。春は新しい環境での仕事が始まるタイミングです。慣れないことばかりで戸惑いも多いでしょうが、だからこそ、あらかじめ頭に入れておくと仕事が順調に、気持ちが楽になる思考法もあります。

IT企業の会社員で、SNSで発信するライフハックが人気を呼ぶ「びっとらべる」さんの著書『社会人1年目「直前」の教科書 「驚異の新人」と呼ばれるために習得する100のメソッド』から、新人が知っておきたい「思考術」について3つのポイントを抽出し、ご紹介します。

ゴミを拾えない人は、チャンスも拾えない

公共心が高いと言われる日本人ですが、残念ながら地面に落ちているゴミやモノに対して、見て見ぬふりをする人が多いものです。これは公道ではもちろんのこと、職場やプライベート空間においても言えることです。

「いやいや、この行動が『仕事』や『チャンス』にどのような関係があるの?」と思ったかもしれません。

「ゴミを拾ったら、手も汚れるし、ましてや他人のゴミを拾うなんて無駄な行為でしかない」このような考え方の人には、残念ながらチャンスが訪れることはありません。

心もどんどん濁っていきますし、小さなことを積み重ねることができない人は信頼すら置けなくなってしまいます。

こういうちょっとしたゴミやモノに「気づいて拾う」という行為で自分の時間を数秒も使うことができない人は、小さなことに気づくことができず、結果として仕事を任せてもらえなくなるのです

ここで最もダメなポイントは「そこにある何かに対して無視してしまう癖がつく」ということです。目の前にある小さなことを無視し続けてしまうと、少しずつそういったものに気づくことすらできなくなってしまい、目の前にある小さなチャンスにすら気がつけなくなるのです。

一見どれもゴミに見えた、見分けがつかなかったものも拾ってみれば宝に変身するかもしれません。

身近に落ちているゴミを拾うことで、小さな変化に気づく感性を磨くことができ、これを小さくコツコツ続けることは心の清潔さにもつながり、限られたチャンスを拾うこともできるようになるので、もし目の前にゴミが落ちていたら無視せずに拾った方がいいのです。

これは何も私だけが言っていることではありません。私のお気に入りの名言に次のような言葉があります。

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」

アメリカの有名な心理学者ウィリアム・ジェームズの言葉です。

つまり、このような小さな積み重ねが心を豊かにし、次第に大きなチャンスを招き、後の運命、人生を大きく変えてくれることにつながっていく、ということは多くの人が実感している事実なのです。

POINT 毎日の小さな積み重ねが、運命を大きく変えるトリガーとなる

積極的に「やらせてください」と言う

積極性のある新人は非常に好かれます。「おもしろそうですね!」「ぜひやってみたいです!」このように提案された意見に少しでもワクワクを感じたら、率直にやりたい意志を伝えることが大切です。

私も前向きに取り組む姿勢を心がけた結果、上長に気に入られ、精鋭チームに配属されることになり、やり甲斐のある大きな仕事を任せてもらうことができました。

一度気に入ってもらえると、会社の中ですごく立ち回りやすくなるというわけです。

日々積極的に仕事を進めていると、「君にこの仕事を任せたい」と言ってもらえる機会が増えたり、ふと大きなチャンスが舞い込んでくる可能性も格段に高まります

何事も行動を起こさないと、結果は表に出てきません。だからこそ、失敗を恐れ保守的になるのではなく、自ら挑戦する姿勢を見せ、上司や周りを後押しできるような人材が常に求められているのです。新人であればなおさらです。

会社という組織の中には、本当にいろんなタイプの上司がいます。「何かあったら俺がフォローするからやってみろよ」と背中を押してくれる上司ばかりとは限りません。

そこで諦めるのではなく、むしろ「私にやらせてください!」と言える部下、つまりは積極性を持った「あなた」がいれば、保守的だった上司にも「よし、これに賭けてみるか!」と挑戦する勇気を与えるキッカケになるかもしれません。

「やらせてください」と果敢に新しいことに挑戦していくことが、自分の能力を飛躍的に伸ばすチャンスになるのだと捉えましょう。

繰り返し挑戦することで同期とは比べものにならないくらいのスピードで成長していくことができます。

たとえ引き受けた仕事がうまくいかなくたってかまわないのです。その経験そのものに大きな価値があり、この積み重ね自体が人として大きく成長することにつながるワケです。

妥協せず、「誰よりも結果を出してやる」。これぐらいの強気な姿勢で仕事に挑むようにしましょう。その気持ちは必ず結果として表れ、やがて大きく報われるはずですからね。

POINT どんな仕事も積極的に挙手しておくと、「チャンス」が巡ってきやすくなる

「なんとかなる」ではなく「なんとかする」

よくある失敗ケースに「物事を楽観的に考えすぎる」「他人のせいにする」があります。

私の経験上においても「なんとかなるか(誰かがなんとかしてくれる)」と考えすぎて、行動が伴わずに期日に間に合わなかったり、作成を依頼されていた資料が想定されていたクオリティに仕上がらずに上司に詰められたり……なんてことがありました。


悩み込むことを避けたり、失敗を引きずらないためにも、「なんとかなる」と少し楽観的に物事を見ることは大切なのですが、他責で生きるのは自分の人生を他人任せにすることになってしまうので、あまり好ましくありません。

本当に大切なことは、自責思考で「なんとかなる」ではなく「なんとかしてやる」という気持ちです。

周りからの評価が明らかに上がった行動パターンとして「なんとかしますと前向きに発言する」があります。

上司から「あまり日にちがないから厳しいかもしれないけど、これとこれお願いできる?」と言われたときには積極的に「なんとかします!」と答えて最大限の努力をしてみることが大切です。

無理だと思うようなことも、意外となんとかできるものです。日頃から「なんとかする」という気持ちを大切に行動し続けた暁には、思いがけないチャンスが舞い込んでくる場面も増えます。大抵の仕事は、自分が努力すればなんとかできることばかりですからね。

自分のことを信じてあげる

ただし、無理しすぎる必要はないので、本当に無理だと感じたら「ハッキリとNOと言える勇気」を持っておくことも忘れないでください。人生には本当にどうにもならないこともあるわけです。そんな時に単なる根性論で耐え忍ぼうと頑張っても、無駄にエネルギーを消耗してしまうだけです。

「自分ではどうにもならないこと」をうまく見極め、なんとかできることは「なんとかする」ことが大切なのです。すぐに実行していくのも難しいと思うので、少しずつ意識的に取り入れてみてください。

まずは自分のことを信じてあげることから。自分の可能性を一番信じてあげることができるのは自分自身です。自分に程よく期待し、自分を大切にすること。この意識が日々の行動、そして結果へとつながっていくはずです。

POINT 常に前向きに発言し、自責思考で必ずやり遂げること


(びっとらべる : インフルエンサー)