水戸戦で先発したチャヴリッチ。樋口の決勝点で起点となるプレーも。写真:永島裕基

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 鹿島アントラーズは2月10日、プレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」で水戸ホーリーホックと対戦。前半に決めた樋口雄太のゴールを守り切り、1−0で勝利を収めた。

 前線の柱である鈴木優磨が負傷離脱中のなかで、注目を集めたのが4−2−3−1の1トップで先発した新助っ人FWチャヴリッチだ。

 1月29日に期限付き移籍が発表され、翌30日からチームに合流したばかりのセルビア人ストライカーは、水戸戦で前線からのチェイスで度々ボールを奪取し、背後への鋭い抜け出しや安定感のあるポストプレーを披露した。

 ランコ・ポポヴィッチ新監督は鹿島復権のテーマとして「攻撃力のアップ」を掲げている。

 昨季の鹿島の攻撃陣は、ほとんどの得点シーンに絡み、チームトップの14ゴールを挙げた鈴木の存在感が増す一方で、このエース不在時には迫力不足が否めなかった。

 水戸戦では新戦力のチャヴリッチが、攻撃陣の底上げとなる可能性を示した。
【PHOTO】大声援で勝利を後押しした鹿島アントラーズサポーター!
 万能型のチャヴリッチは、鈴木の能力を引き出すベストパートナーにもなれるはず。両者が得点とアシストを重ねれば、昨季以上の攻撃力を発揮できそうだ。

 水戸戦では前半のみのプレーに終わったチャヴリッチは、今後は日本独特のスピーディな展開にも慣れる必要があるだろう。

 それでも、「良い感覚も持てました。試合に出られたこと、そして勝てたことを嬉しく思います。完璧ではなかったですけど、良かったほうなんじゃないかな。まだ(開幕まで)2週間あるので、しっかり調整していきたいです」と一定の手応えを得たという新助っ人の鹿島デビューの姿を見て、期待は膨らむ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)