富士スピードウェイ(写真はイメージ)

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静岡県小山町内のサーキット場「富士スピードウェイ」で、カーシェアリング事業を展開するタイムズカーのレンタカーが走行に参加していたのは同社の約款違反ではないのかと、X(旧ツイッター)上で指摘があり、話題になっている。

ただ、実際はレースではなく、サーキット体験走行だった。それでも違反になるのか、タイムズカーの運営会社に取材した。

カルガモ親子のようにペースカーの後に着いてコースを体験

場内の集合場所に、スポーツカーなどがずらりと列を作る。その中に、「わ」ナンバーで「タイムズ」の黄色いシールを後部に貼ったレンタカーも待機していた。

この動画は、2024年1月28日にX上で投稿され、翌29日になって、レンタカーが走行するのは約款違反ではないかと指摘があった。この指摘をした投稿は、1000件以上リポストされ、動画やそのキャプチャー画像が拡散している。

富士スピードウェイの公式サイトによると、ライセンスがなくても国際レーシングコースを楽しめる「体験走行」を1台2500円(税込)で随時、正午から行っている。

この走行では、ペースカーが先導して、コースを3周する。フリー走行ではないため、追い越しは禁止になっている。いわば、カルガモ親子のようにペースカーの後に着いて、コースを体験するという内容だ。

ただ、タイムズのカーシェアの貸渡約款では、第22条「禁止行為」の1項4に、「当社の承認を受けることなく、カーシェアリング車両を各種テスト若しくは競技に使用」と記されている。

この約款の規定のほか、他社のサービスで競技をする場所での使用が禁止されていたことから、約款違反ではないかとの指摘が出た。一方で、今回のレンタカーは体験走行に参加したとみられるため、違反にならない可能性があるのではないかとの見方もあった。

「日常的に公道を走ることを想定しており、約款違反に当たる」

サーキット場での体験走行でも、実際にレンタカーを走らせれば約款違反になるのか。

タイムズカーのサービスを運営するパーク24は1月30日、J-CASTニュースの取材に対し、経営企画本部の担当者が「個別の事象については、回答を差し控えています」と述べたうえで、一般論としてこう答えた。

「サービスでは、あくまでも日常の使用として公道を走ることを想定しています。サーキットでの走行は、想定しておらず、走行すれば約款違反に当たると考えています」

具体的には、第22条「禁止行為」の1項4に当たるとした。タイムズカーのレンタルもカーシェアも、同じシールを貼って互いに融通して使用しており、区別はないという。

もしサーキット場で走ったことが分かれば、次のような対応を取るとした。

「違反した場合、約款に基づいて、会員資格の取り消しも含めて適切に対処します。どう対処するかは、個別事象を判断して決めることになります」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)