GS突破が懸かるイラク戦で、日本はまさかの敗戦を喫した。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

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[アジア杯GS第2節]日本 1−2 イラク/1月19日/エデュケーション・シティ・スタジアム

 森保ジャパンがイラク代表に完敗を喫したニュースは、韓国でも広く報じられている。

「“ヘディング2発”で崩れた!...優勝候補・日本、イラクに1−2衝撃敗戦」(サッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』)

「“ドーハ大惨事”31年前の悪夢を再び見た日本、“フセイン2得点”イラクに42年ぶり敗北...イラクは16強進出」(スポーツメディア『MKスポーツ』)

「優勝候補・日本、イラクに1−2敗戦...フセイン2得点で撃沈」(経済メディア『MoneyS』)

「今大会最大の異変発生、イラクが2−1勝利...実力で日本下した」(サッカー専門メディア『Best Eleven』)

「“優勝候補で合ってる?”日本、ヘディング2発で“がらがら”と...イラクに衝撃敗」(スポーツメディア『MHNスポーツ』)
 
 なかでも、「“ドイツも下した”日本、国際Aマッチ連勝10試合で終了...42年ぶりイラクに敗戦」と見出しを打ったスポーツ紙『スポーツソウル』は、イラクを“中東のダークホース”と表現。そのうえで、試合を次のように総括した。

「日本はベトナムとの初戦で前半に一時1−2とリードされたが、4−2で逆転勝利した。初戦の難しさを考慮すると、第2節では本来のパフォーマンスを見せてくれると思っていた。

 しかし、弱点として狙われた右サイドバックの菅原由勢が相手のサイド攻撃を制御できず、2002年生まれの鈴木彩艶の失策性プレーが続き、イラクFWアイメン・フセインの連続ヘディングゴールを許した。後半終盤には遠藤航の挽回ゴールが生まれたが、これ以上の追撃はできなかった」

 また、前出の『Best Eleven』は日本撃破の立役者となったフセインに注目。「日本の守護神の経験不足、守備の要である冨安健洋の空白など、あらゆる要素が働いたとはいえ、これを考慮してもフセインの存在感は凄まじかった。少し褒めすぎかもしれないが、1996年アジアカップで韓国のゴールを猛爆したイランのゴールゲッターのアリ・ダエイ、2007年アジアカップでイラクを優勝に導いたユニス・マフムードのような風格さえ感じさせた」と、アジアの歴代名ストライカーになぞらえて称賛していた。

【PHOTO】日本代表のイラク戦出場16選手&監督の採点・寸評。全員が及第点以下の厳しい評価。最低点は守備者の2人
 ただ何より、今回の敗戦を受けてどのメディアも言及しているのが“早期日韓戦”の可能性だ。仮に日本がグループDを2位通過し、グループEの韓国代表が首位突破した場合、両国は決勝トーナメント1回戦で激突する。

 このため、「決勝韓日戦の可能性は90%以上消えたといっても過言ではない」と伝えたネットメディア『エックススポーツ・ニュース』をはじめ、「決勝ではなく16強で韓日戦?」(ネットメディア『ノーカットニュース』)、「可能性高まった16強韓日戦...2チームのうち2チームは早く荷造りをするのか」(スポーツ紙『スポーツ京郷』)など、すでに各社がライバル対決について大々的に報じていた。
 
 その韓国は、15日の大会初戦でバーレーン代表に3−1で勝利。20日に行なわれるヨルダン代表との第2節で勝利すれば首位突破が確実となるが、ここにきてヴィッセル神戸、柏レイソルでも活躍したGKキム・スンギュが練習中の負傷で途中離脱。

 パウロ・ベント前監督に続き、ユルゲン・クリンスマン現監督からも全幅の信頼を得ている正守護神を失うアクシデントに、各メディアは「緊急事態」「悪材料発生」などと懸念を示している状況だ。

『スポーツソウル』は、「優勝候補の日本も“異変の犠牲者”となった。クリンスマン号も“ひとごと”ではない」と自国に警鐘を鳴らしていた。果たして韓国がグループ2連勝を飾り、ベスト16入りを決めるのか。日韓のサッカーファンが注目を寄せている。

構成●ピッチコミュニケーションズ

参照記事:イラクに敗れた日本代表に「“中東のダークホース”に完敗」と韓国紙...42年ぶり敗戦に驚き隠せず【アジア杯】