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ここのところアントニオ・リュディガーがみせるパフォーマンスへの評価は、完全に真っ二つへと分かれる傾向にある。まずそのうちの1つが週末、マルクス・バベル氏がテレビ番組に出演した際に「どうやったら彼がレアルの一員となれるのか疑問」という言葉であり、もう一方はグラナダ戦で拍手喝采を贈っていたレアルのサポーターたちだ。アンチェロッティ監督も「完璧なレアル向き選手」と呼ぶが、果たしてその言葉は何を指しているのだろう?

キャリアにおける大きなきっかけとなったのが、ビッグクラブへの移籍だ。ドイツ人指揮官トーマス・トゥヘル監督の呼びかけに応じた左利きのセンターバックは、それまではワールドクラスの称号を得られていなかったものの、3バックにおけるハーフバックという役割で積極的な前への飛び出し、空いたスペースをドリブル突破して自分の思い切りの良さを発揮。ただ別の言い方をするならば4バックにおけるセンターバックとしては、危険を孕んでいることに変わりはなかった。

そのリスクを敢えてレアルがとった理由は、そのチェルシーからフリートランスファーにて、アラバとミリタオというお気に入りの選手二人の後となる3番手センターバックとしての獲得であったためであり、3バック採用や不測の事態に備えたものだったが、後者に思いの外需要があったため今は出場機会の確保につながっている。しかもそこでリュディガーは前述のようにファンから讃えられる活躍を見せているのだ・・・ドイツ代表とは対照的に。

しかもそこで印象を残しているのはチェルシー時代のビルドアップ時というよりも、むしろ妥協せず勤しむ守備面での姿であり、コンスタントに起用されたリュディガーは負傷による不安材料を払拭する安定感をレアルにもたらして首位堅持に貢献。15試合を終えての9失点は、2019/2020シーズンを合計25失点で切り抜けた時以来となる好成績だ。アンチェロッティ監督からは「ポゼッションにおけるインテリジェンス」と「集中力の高さ」を評価され前述の「完璧なレアル向きの選手」という言葉が出てくる。

言い換えるならばワールドクラスの選手たちに、伸び伸びと自由にプレーする環境を提供できる、このクラブにとっては完璧に向いた選手だということ。そしてその高い集中力もポゼッションにおけるクレバーさも、リュディガーはあくまでそのレアルでしか発揮していない。数週間前にナーゲルスマン代表監督は、「ディフェンスの鬼」の不在を嘆いたばかりであり、例えばCL準決勝第一戦でハーランド相手に見せたようなプレーを、代表でも見たいと思うのばバベル氏だけではないはずだ。