架空鉄道作家がXに投稿した画像が話題を呼んでいます。地方交通の変遷と称したそれは、昭和30年代から現代に至るまでを4つの時代に区分し、各時代で鉄道網や道路網がどうなったかを紹介しています。

昭和の景色「市内線」「専用線」

「地方交通の変遷って、こんな感じじゃなかったっけ?」
 
 架空鉄道作家のよろづのかるみさんがX(旧Twitter)へ、2023年11月に投稿した画像が話題を呼んでいます。


2023年3月に廃止された、JR山田線の平津戸駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 投稿には4枚の画像が添えられています。それぞれ「昭和30年代」「昭和50年代」「昭和末期〜平成初期」「令和のいま」と称した交通地図です。特定の場所を指したものではなく、一般的な地方鉄道を表したもので、昭和30年代には国鉄路線と小私鉄、市内線、そして国鉄から延びる専用線が描かれています。これがどう変化していくのでしょうか。

 昭和50年代にはまず、市内線と専用線が廃止されます。小私鉄は国鉄駅前で途切れ、専用線は、おそらく鉱山などが閉鎖となり不要になったのでしょうか。

 さらに南へ目を向けると、曲がりくねって山岳路線の様相を呈していた国鉄が、一部で直線になっています。地図には「ダム補償?で付け替え新線」と記されています。旧線はダムの底に沈んだと思われます。

 そして最も注目すべきは高速道路(ハイウェイ)の開通でしょう。町の中心部からやや離れた場所に、ICとPAが設置されました。いよいよこの町にも、モータリゼーションの波が押し寄せてきたようです。

下る時代 交通はどう変わる?

 続けて昭和末期〜平成初期の地図を見ると、新線へ付け替えまでした国鉄が丸ごと廃止されてしまいました。代替バスが走るようになったそうで、先述の高速道路のほかにも、道路事情がよくなっていることがうかがえます。

 さて、いよいよ現代。北側では小私鉄が縮小され、ずいぶん短い路線となってしまいました。南側では、昭和末期〜平成初期にかけ廃止された国鉄に沿うように、高規格道路が開通。先述の高速道路とはJCTで接続しています。廃線跡はいま、どうなっているのでしょうか。

 投稿には様々な声が寄せられています。実例に置き換えたり、駅前はこうなったかもしれないと“妄想”したりして、町の機能そのものを思案する意見も見られました。以下に一例を列挙します。


加古川市内で整備中の高規格道路「東播磨南北道路」完成イメージ(画像:兵庫県)。

「地元がマジでこのパターンだ」
「でんてつうみ駅には電鉄直営のデパートがありますが、閉店の噂があるのが令和ですよね」
「たぶんデパートも閑散としてきて、そのうち複合テナントビルになるのかも……」
「そのテナントもやっていられなくなって、役場の本庁か出張所が入ります」
「新幹線ができて、新うみ駅ができ、3セクになるまでがセット」
「うちの地元では、鉄道代替えバスがいつの間にか廃止になってました」
「PAにスマートインター開業も追加で」

 ほかにも、具体的な路線や駅を挙げるコメントも見られ、多くの人の共感を呼んだようです。さらに20年後は、いったいどうなっているでしょうか。