司会者の男性が記者に反論する場面も多かった

写真拡大

ジャニーズ事務所が2023年10月2日に開いた記者会見では、会社側と記者との攻防も先鋭化した。指名されない記者からたびたび怒号が飛び、司会者からは「フェアです。ちゃんと全体を見ています」。記者の主張に反論する場面も多かった。

会見が茶番だと主張する記者がいる一方で、司会者の進行を支持する別の記者からは「ちゃんと順番回して!」という声もあがった。「ルールを守る」ことを呼びかける登壇者の声に拍手が起こる場面もあり、記者会見のあり方をめぐる記者間の立ち位置の違いも鮮明になった。

「ひとつに限っていいですか?」→「いえ、ぜんぶひとつです」

2時間強にわたる記者会見では、出席した記者167人のうち、25人が質問。会見冒頭、司会者は「なるべく多くの方からご質問をいただけるように、ご質問は1社1問でお願いします」と宣言していたが、複数の論点を含む質問に時間をかける記者もおり、司会者が質問を切り上げるように求める場面も何回かあった。例えば6番目に質問した一月万冊・佐藤章記者は、「良く聞いてしっかりお答えいただきたい」と断りながら、約2分50秒にわたって質問。2分30秒ほど経過したところで司会者が「すみません、ひとつに限っていいですか?」と指摘すると、佐藤氏は「いえ、ぜんぶひとつです」と反論した。

その直後には、記者席から「関連の方に指してくださーい」の声。一度質問した後に、関連質問しようとする記者を指名するように求める声だが、司会者は

「いえ、最初に申し上げております。1社1問と申し上げております」

と受け入れなかった。20人目の質問が終わった後には、会見が「茶番」だという声が飛んだ。司会者は「まったく茶番ではないです」と応じると、記者席からは「笑わないでください」。司会者は「笑ってないです」とやり返した。

22人目の質問に対する回答が終わった時点で、指名されていない記者が大声で質問をぶつけた。司会者が登壇者に「どうしますか?お答えになりますか?」と聞くと、女性記者が「答えてください、非常に重要です」と答弁を要求。そんな中で、記者席からは「(別の記者に)当てて、当てて!」「ちゃんと順番回して!」という声が出た。指名されていない記者の質問を認めるべきではないとの声だ。これを受ける形で司会者は

「すみません、これは司会者として言わせてください。最初に皆さんにお願いしたのは、1社1問でございます。ですので、それでお願いします。みんなそれでルールを守って聞いていただいていますので。お願いします」

と話し、別の23人目の記者が指名された。

「そう思っている方がいたら挙手お願いしまーす!」

この質問に答えた直後にも怒号があがった。これまでも「落ち着いて」と繰り返していた井ノ原快彦氏が「ちょっと一言いいですか」と口を開き、改めて呼びかけた。

「やはりこういう会見の場は全国に生放送で伝わっておりまして、小さな子どもたち...自分にも子どもがいます。ジャニーズJr.の子たちもいますし、それこそ被害者の皆さんが自分たちのことでこんなにもめているのか、というのは僕は見せたくないので、できる限りルールを守りながら、ルールを守っていく大人たちの姿を、この会見では見せていたいと僕は思っていますので、どうかどうか落ち着いてお願いします」

この呼びかけに対して、記者席からは拍手があがった。

終了予定時刻の16時が過ぎ、司会者が会見終了を宣言した後も、記者席からは声がやまなかった。

「問い合わせてもなかなかお答えがいただけないという状況があるので、ぜひその点はご配慮いただいたいと思っています。そう思っている方がいたら挙手お願いしまーす!」

と賛同を求める記者もおり、会場内には挙手や拍手をする記者もいた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)