ベビーサークルを洗濯機に入れられて被害を被ったコインランドリー。洗えないものの注意書きが店内に掲示されているが、「洗えないものが多く、すべては書ききれない」と店主は嘆いた(画像は『Mister Wash - Laundromat 2019年8月1日付 Facebook「Just Opened!」』のスクリーンショット)

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コインランドリーのパワフルで大容量の洗濯機は、厚手の毛布など普段家庭で洗濯できないものが洗えて便利だが、だからといって何でも洗えるわけではない。このほどシンガポール在住のオリビア・ロウさん(Olivia Law)は、コインランドリーで折りたたみベビーサークルを洗っている分別のない夫婦を目撃したという。ベビーサークルは、ドラム式洗濯機のガラスを割って硬いフレームの一部が外にはみ出た状態で、周囲にガラスと石鹸水を飛び散らしながら回転していた。シンガポールのメディア『AsiaOne』『8world News』などが報じたが、テックインサイト編集部ではオリビアさんに当時の状況について話を聞いた。

現地の各メディアの報道によると、9月10日の夕方、シンガポールのセンバワン(Sembawang)にあるコインランドリー「Mister Wash」にて、ガラスが割れる大きな音が2度したという。近くを通りかかったオリビアさんが店の中を覗いてみると、1台のドラム式洗濯機の丸いドアのガラスが割れ、中から何やら硬くて長いものが突き出た状態で回転していた。

洗濯機の前にはガラスが飛び散り、泡立った水が床一面に広がって、洗濯機が回転するたびに水や泡が飛散して店内はひどい状態だ。

オリビアさんはこの衝撃的なシーンを動画撮影しながら、居合わせた利用客や騒ぎを聞きつけてコインランドリーに集まった人々と「誰かがベビーカーを入れたみたいだ」などと話していたところ、洗濯機の中身の所有者と思われる夫婦がオリビアさんに近づき、撮影を止めてネットに投稿しないように頼んできたという。

オリビアさんは、当時のことをFacebookでこのように綴っている。

「夫婦のほうから私を呼び止めて撮影をストップするように言ってきたので、“常識外れ”なものを平気で洗う間抜けが誰なのか、店内の皆の知るところとなりました。」

オリビアさんは、店内の監視カメラが一部始終を記録していることに気付いていたので、夫婦の前で人物が映っている映像はすべて削除した。さらに「ベビーカーはとても危険なので洗濯機に放り込むことはできないよ」と女性のほうにアドバイスしたところ、彼女は「ベビーカーじゃなくて、ベビーサークルよ」と言い訳したという。

オリビアさんは、この夫婦について「流暢な英語を話し、学校でちゃんと教育を受けた賢い人のように見えましたが、なぜ、こんなに常識がないのかしら?」と疑問を呈しており、「みなさん、何かをする前にちゃんと頭を使いましょう」と訴えた。

また、動画を見て、なぜ誰も洗濯機のスイッチを切らないのか不思議に思うかもしれないが、男性のほうが洗濯機を止めてベビーサークルを取り出そうとしたが失敗したそうだ。さらに当時、そこにいた客のほとんどが子供か高齢者で、石鹸水の上で滑って転倒したり、感電や飛び散ったガラスの破片で怪我をする危険もあったと、オリビアさんは事情を説明している。

別の人の話によると、洗濯機は最終的に詰まり、メンテナンスの人が来るまで動かなくなってしまったそうだ。

マレーシアの中国語メディア『China Press』が伝えたところによると、同コインランドリーの経営者リン氏(林)は「この種の事故が起きたのは初めてだ」と述べたそうだ。そして店内には、余分な衣類を洗濯機や乾燥機に入れないこと、靴、ヘルメット、カーペット、ペットの衣類などを洗うことを禁止する注意書きが掲示されているが、リン氏は「誰かがこんなことをするとは予想していなかった。将来的には、固い物の洗濯を禁止する張り紙をする」と、考えを明らかにした。

なお相手方から謝罪はまだなく、リン氏はこの夫婦と損害賠償の方法について話し合うつもりだ。今のところ法的手段には訴えない方向で、洗濯機の修理と交換にかかる費用を確認中だという。