大谷翔平の85年ぶり躍動に敵地メディア嘆き 投手・大谷は攻略も「打者として刺激的だった」
大谷は投手として制球に苦しむも、打者としては17号2ラン含む4打数3安打2打点の活躍
米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手が9日(日本時間10日)、本拠地マリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で出場。投げては5回3安打3失点で6勝目を逃したが、打っては17号2ランを含む4打数3安打2打点。5-4の勝利に貢献した。敵軍シアトル紙は「マリナーズは投手オオタニにはよかったが、打者オオタニに苦戦した」と試合の内容を振り返った。
「投手・大谷」は不安定な立ち上がりとなった。先頭のクロフォードに四球を与えると2死後、4番・ケルニックに右中間への2ランを被弾。先制を許した。続く5、6番にも連続四球を与えるなど、初回だけで31球を費やした。5回にも2つの四死球でピンチを招くと、3番・フランスに中前適時打を浴びて3失点目。被安打は3本だったが、5四球、1死球と制球に苦しみ、球数がかさんで5回97球で降板した。
一方、「打者・大谷」は絶好調だった。初回の第1打席で三塁側へのボテボテの打球がシフトの逆をつき、ラッキーな内野安打に。2点を追う3回2死一塁の第2打席では、同点の中越え2ラン。飛距離440フィート(約134.1メートル)の特大弾だった。5回の第3打席でも二塁打を放つなど、4打数3安打2打点。あと三塁打が出ればサイクル安打という躍動だった。
米ワシントン州地元紙「シアトル・タイムズ」は「マリナーズは投手オオタニにはよかったが、打者オオタニに苦戦した」と題する記事を掲載。「金曜日の夜、ショウヘイ・オオタニは投手として不安定だったが、打者としては刺激的だった」と大谷のパフォーマンスを評した。
同紙は「本拠地のファンはオオタニの440フィートの本塁打と単打と二塁打に沸き立ってエンゼルスタジアムを去ったが、マリナーズは5回を投げたオオタニのらしくない荒れた投球を活用することができず肩を落とした」と大谷の乱調を生かしきれなかった打線を嘆いた。
記事ではマリナーズのスコット・サービス監督の談話も紹介。「我々は、大谷に対して投球数を稼いで本当にいい仕事をしたと思った。準備万端だと思ったし、序盤から攻め立てられた。ただそこで、必要であったであろうほどの大量得点できなかった」と5回で大谷を降板させたことは評価しつつ、攻略しきれなかったことを悔いていた。
大谷は登板試合で今季4度目の3安打以上をマーク。エンゼルスのシニア広報マネージャーのマット・バーチ氏が自身のツイッターで伝えたところによると、最後に1シーズンで同様の記録をしたのは1958年ブルワーズのウォーレン・スパーン。ア・リーグの投手では1938年ホワイトソックスのモンティ・ストラットン以来85年ぶりの記録だったという。
(THE ANSWER編集部)