18歳未満の子どもが親もしくは保護者の同意なしに、オンラインサービスでアカウントを作成することを制限する法案がアメリカ・ルイジアナ州で現地時間2023年6月6日に可決されました。ジョン・ベル・エドワーズ州知事がこの法案に署名した場合、2024年8月1日から施行される予定です。

HOUSE BILL NO. 61

(PDFファイル)http://www.legis.la.gov/legis/ViewDocument.aspx?d=985344



Louisiana passes bill banning kids from the internet without parental consent - The Verge

https://www.theverge.com/2023/6/8/23754274/louisiana-child-safety-online-protection-ban-roblox-fortnite-instagram

Louisiana Bill Would Require Kids Get a Parent's Permission for Online Accounts

https://www.cnet.com/tech/services-and-software/louisiana-bill-would-require-kids-get-a-parents-permission-for-online-accounts/

ルイジアナ州議会で可決された法案「HB61」は、「『インタラクティブコンピュータサービス』は親や保護者の同意なしに未成年者と契約を結ぶことはできない」というものです。法案における「インタラクティブコンピュータサービス」の定義は非常に広く、InstagramやTwitter、FacebookといったSNSアカウントの作成や、「Roblox」「フォートナイト」などのオンラインゲームにアクセスすること、インターネット上のサービスにメールアドレスを入力してアカウントを作成することなどが含まれています。これらの行為は法案が施行された場合、禁止となります。

またHB61では、未成年者が保護者の同意を得ずに締結した契約について、親や保護者がさかのぼってキャンセルできるようになります。

しかしこの法案には否定的な意見も寄せられており、テクノロジー企業団体のTechNetのエグゼクティブディレクターであるセルヴァンド・エスパルサ氏は「HB61は人々のプライバシーを危険にさらす可能性があり、予期せぬ結果を招く危険性があります」と指摘しており、「法案の発効前に、発行された際に起こりうる影響を調査することが極めて重要です」と述べています。





また、非営利組織のNetChoiceの副社長であるカール・サボ氏は2023年6月8日に出した(PDFファイル)声明の中で、「HB61は合衆国憲法修正第1条で定められた権利を侵害しており、ルイジアナ州の住民全員の強制的で大規模なデータ収集につながります」と指摘し、「エドワーズ州知事がこの法案に対して拒否権を行使することを願っています」と語っています。

アメリカでは2023年5月23日に、保健福祉省公衆衛生局のビベック・マーシー長官が「子どもたちは、暴力的、性的なコンテンツや、いじめや嫌がらせのようなコンテンツに至るまで、SNS上でさまざまな有害なコンテンツにさらされています。SNSには安全基準が必要であり、企業や政策立案者に対して具体的な行動を求めます」と主張しています。

SNSは子どもや若者にいい影響も与えるが深刻なリスクをもたらす可能性があるとの報告、公衆衛生局長官が政策立案者・テクノロジー企業に行動を促す - GIGAZINE



そんな中、全会一致で可決されたHB61は、最終的な承認を得るためにエドワーズ州知事のもとに送られ、承認の署名を受けた場合、2024年8月1日から施行される予定です。ニュースメディアのThe Vergeは「法案の公表時点では、州がこの法案をどのように活用していくかは不明ですが、施行前にルイジアナ州では法案の検討のためのフィードバックを州の法的機関に対して提供するように住民に求めています」と報じています。