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 チアゴ・シウバとベン・チルウェルによる口論、合計9回のタッチ数となったピエル=エメリク・オーバメヤン、そしてファンからは前オーナーを讃えるチャント・・・。本来ならば「一矢報いる」ために臨んだはずのロンドンダービーにおいて、チェルシーFCがアーセナルFCの前に露呈した姿は、むしろいかにこのチームが危機的状況にあるかを如実に示すものであり、今季3度目となる交代劇で就任したフランク・ランパード監督の下、チェルシーはこの日も含め10試合で6敗目を喫している。

 特にわずか34分後には0−3とリードを許すなど「前半のパフォーマンスに関しては、あらゆる部分で不十分だったね」と、ランパード監督は試合後にコメント。「我々との対戦は相手には嬉しいことだろう。試合前に話していた、守備面のことがまったくできていなかった」と言葉を続けた。ただ同時に選手たちについては「いいチームだ」と強調し、低調なパフォーマンスは「自信のなさ」や「フィジカル面での問題」によるものだと擁護した。

 特にチェルシーで2度目の指揮となる同氏は先日に、前オーナー時代を引き合いに出した発言でトッド・ベーリー現オーナーへの批判を行なったとも解釈されたという背景もある。スカイに対して「(アブラヒモヴィッチ氏の下で)20年間、非常に成功をおさめていたが、しかしながら今のクラブはその立ち位置にいない。ここにきてから舞台裏や練習場で、なぜそうなのかを目の当たりにするようになったんだ」と述べているところ。

 そんななかでエミレーツ・スタジアムにてTV解説をおこなっていた、元アーセナル主将セスク・ファブレガス氏は、「私が幼い頃に、まるでただ11個のオリーブをテーブルに投げ込むだけのような、そんなコーチと一緒にいたことがある」と指摘。「時にチェルシーにはその時と似たような印象をもつことがある。戦術的、技術的に信じられないようなミスが起こることがあるんだ」と付け加えた。遂に12位まで転落したチェルシーでは次節、勝ち点で並ぶ13位ボーンマス戦が控える。