家庭において、女性の役割はとても多いもの。家事、出産、育児だけにとどまらず外の人間関係も…。50代のブロガー中道あんさんも多くの苦労があったと語ります。今だから言える主婦の本音をまとめてもらいました。

50代が振り返る。多くの主婦が抱く「誰にも言えない」本音をまとめました

終わらない家事と向き合って、ふと思うことはありませんか。「どうして自分だけが…追われるように忙しいんだろうか」と。女性には母性があって母親になると溢れ出て、どんなに忙しくても家事や育児にがんばれる。なんて自分も周りもそう期待してしまうけど、その期待、大きすぎやしませんか。

バブルの頃、健康ドリンクのCMで「24時間戦えますか?」が流行りましたね。猛烈社員をよしとした頃のキャッチフレーズです。今それを言ってしまったら「モラハラだ!」と受け取られてしまうかもしれません。
一方で女性は、バブルの頃より役割負担が大きくなっています。専業主婦は圧倒的に少なくなり、働く母親が増えました。日本の「主婦」こそ24時間戦っているんじゃないでしょうか。
そんな主婦である私が、ふと思うことや日々感じている本音をつづりたいと思います。

●「年中無休なのは私だけ?」

家族旅行でお宿についてほっと一息。最近の旅館では中居さんがお茶を入れてくれない場合が多いです。座敷机の置かれた「お着き菓子」を目の前にしてお茶を入れるのはわが家の中居さん「私」でございます。つい、言われなくてもその場に応じた役割を果たしてしまう。「あなた、お茶をお願いします」の一言が言える人でありたいです。

●「つくったものを無言で食べないで」

冷蔵庫のあるもので時間をかけずにパパッと夕飯の支度をし、しかもそれなりに栄養面も考えてつくっている母親は多いと思います。「しっかり食べさせないと」という愛情を持ってつくっているのに、スマホを見ながらご飯を食べる息子。昔は家族でテレビを観ながらご飯をたべたものですが、スマホでは共有できず。これではつくってもらった人への敬意がない。
個食が浸透した時代背景がそうさせるのかもしれませんが、せめて「おいしい?」と聞かれる前に「おいしいわぁ。ありがとう」と言ってほしいものです。

●「子どもが寝た後のひとり時間が唯一の至福…」

30代後半は子どもを早く寝かせ、昼間の喧騒から離れ自分を取り戻していました。ひとりで飲むお茶は最高です。夫には書斎はあるのに、自分にはキッチンのダイニングテーブルしかない。それに、あまり疑問をもたずにきましたが、どれだけ自分をいい加減に扱っていたのでしょうか。主婦の居場所はキッチンではありません。妻でもない母でもない、自分に還る場所。

ぜひ、子どもが巣立ったあとは、部屋を自分好みにカスタマイズしてみましょう。まるで独身時代に戻ったかのような気分になれます。

●「更年期の子育てはしんどい」

3番目の子どもを産んだのは、33歳になったばかりの頃。遅い出産ではないでしょうが、上の子二人と比べ体力的にしんどかったです。さらに50代に差しかかった頃、子どものために早起きしてのお弁当づくりは大変でした。
あと、3年産むのが遅かったらもっと大変だったにちがいがありません。だって更年期のゆらぎは自分の体なのに自分でコントロールできないんですから。それを周りに知ってもらうことは大事ですよね。こじらせると大変なのは反抗期より更年期です。

●「義実家の人間関係はとてもストレスです」

家庭以外にも、人間関係の悩みは尽きることはありません。職場やママ友のほかに、義両親やその親戚づき合いなども女性の役割ではないでしょうか。最近では、夫一族とは夫だけがつき合えばいい。という割りきった考え方も増えていきていますが、実際は夫の両親に気を遣う、親戚の集まりにつき合わされるのがつらいという本音はまだまだ多いです。でも一方で「いいお嫁さんに見られたい、見られなくちゃいけない」という考えもあります。

余談ですが、結婚式の祝辞で仲人さんの挨拶で花嫁が白無垢を着る意味を知ったとき、びっくりした記憶があります。「嫁ぎ先の家風に染まる」という…とんでもない。私にはできないと強く思いました。相手の言う通りに行動していると、自分を押し込めることになり、ストレスからしんどくなるのです。
まずは自分の価値観をはっきりさせて、無自覚にしてきた選択を自分はどう思うのかを考えるところから始めてみるといいかもしれません。

●「ゴミ出しのご近所さんの目も気にしています」

私は郊外の一軒家に住んでいます。引っ越したのは25年以上前のこと。まだ若かった私は、ご近所づき合いにビクビクしていました。自分の親と変わらない年代の世帯が多い中、失礼のないように随分気を使ったものです。でも、残念なことにゴミの出し方にチクっと嫌味を言われ、正直「怖い〜」と思いました。「いったいどこが間違っているのだろう?」と、神経質にもなりました。マヨネーズの容器を洗って捨てるようにしたり、ペットボトルのラベルを剥がして燃えるゴミと分けたり…。
あれから、ウン十年たっても、間違って出されたゴミ袋を見つけると、体が硬く緊張しているのに気づきます。妹がマンションのごみ置き場にゴミを出そうとしたら、その前で高齢のご婦人に「出しといてあげる」と言われびっくりしたそうです。どこの場所にもゴミ奉行がいるものですね。

●「年齢って言わなければいけないですか?」

所帯じみないように気をつけているつもりなので、「えー、そんな歳に見えない」と言われると、つい嬉しくなります。でも「年齢不詳」は若づくりや老け見えの意味もありますから。自分の年齢をあえて言う必要はないのではないでしょうか。何歳に見られるかよりイキイキした姿を見せたいと思うようになりました。

●「やりがいより欲しいのはお金です」

会社員をやっていた頃、仕事にやりがいを求めていましたが、正直「ライスワーク」でした。夫婦関係に不満があると「経済的に自立したい」と考える女性は少なくありません。また、そこに問題はなくても、子どもの教育費のためにがんばる母親も多いです。実際、私がそうでした。やっと夢中になれる仕事についたのは子育て終了後です。
もし、「お金」の問題が一段落したら、「やりがい」や「生きがい」「ライフスタイル」など多角的な視点で仕事について考えてみましょう。「なぜ仕事をするのか」を再確認のチャンスです。

 

いかがでしたでしょうか? 仕事をして子育てもして、そのうえ家内のことまでひとりでやる主婦業は役割が多すぎると感じます。夫に定年は要らないけれど主婦の定年制度が欲しいと思うのは私だけでしょうか。みなさまには徐々にでも自分らしく生きてほしいと願います。