73歳の「持たない」身軽なひとり暮らし。1000円カット、団地暮らしが心地よい
年齢を重ねるにつれて、生活形式も変化していきます。高齢者向け団地でひとり暮らしをしている73歳の小笠原洋子さんは、「持たない暮らし」を実践中。小笠原さんが手放した習慣や持たなくても暮らしを楽しむコツをまとめて紹介します。
持たない暮らしで、手放した習慣3つ
持たない暮らしをすることで、これまで当たり前だった習慣を手放すことも。
●1:遠出をすることを手放し、「近場を楽しむ」
緑いっぱいの道を歩くだけで爽快で運動不足の解消にもなります。「遠出しなくても十分楽しい。季節の移ろいを肌で感じるのも幸せです」
●2:おしゃれにお金をかけることを手放し、「清潔感のあるショートヘア」をキープ
1000円カットで整えるショートヘアが定番に。「シャンプーも少なくてすむし、いつも同じ髪型ならアクセサリーや装いも定着します」
●3:まとめ買いを手放し、「1日1000円の予算内」で買う
生活費の予算は1日1000円と決めています。「うっかり余計なものを買って予算を超えないよう、買い物は1日に1軒だけに」。
「持たずに」暮らしを楽しむ方法
3LDKの団地に住む小笠原さんは、「使えなくなるまで使う」のがモットー。見直してみると、身の回りにはまだ使えるものがたくさんあります。
●アクセサリーはある分だけ。身につける以外にも楽しむ
アクセサリーは小さな引き出しに収まるだけに。「ちょっと派手かな…? という、身につけなくなったものは壁やバッグに飾って楽しみます」
たとえば、鏡の装飾にヘアアクセサリーをつけてみたり、ブローチをカバンにつけたり、常識にとらわれない楽しみ方をしています。
●靴箱がなくても、テレビ台を靴箱代わりに
使わなくなったテレビ台は、靴箱の代用にしています。「普段履くものはブロックの上に板を渡してその下に。出しっぱなしでも玄関がすっきり」
●持ち家をやめて、賃貸暮らしにした理由
かつては資産として土地や分譲団地を買ったこともある小笠原さんですが、固定資産税には納得がいかなかったそうです。「なぜ、自分のものにお金を払い続けるの? と。築50年の実家の解体処分に苦労したこともあって、老後はごく身軽に、それでいて安心できる住まいを見つけたいと思うようになったんです。今住む団地は都心からは遠いですが、自然豊か。高齢者向け賃貸住宅なので保証人制度や礼金、敷金、更新料もなし。バリアフリーで、家の中3か所に救急ベルつき電話もついています」。公共スペースや植栽の手入れも行き届いていて、快適そのもの。自分にぴったりな暮らしが、賃貸団地に移り住んだことで実現したのです。
閑静な団地は2つの駅のちょうど中間にある立地。「たまの買い物も、運動を兼ねて歩くのにちょうどいいんです」
使えるものはとことん使う!ケチカロジーワザ5つ
「めったに買わない。買ったものはとことん使いきる!」をモットーにしている小笠原さん。彼女流の「ケチカロジー」の代表的なワザをまとめてご紹介します。
●1.気に入った箱を収納に
ビニール袋は便利で貴重な「資産」。サッと取り出せるよう、ひと手間かけておしゃれなあき箱にイン。「気に入った箱なので、長く使っています」
●2.食品パックは捨てる前に器やラップとして活用
「食品が入っていたパック類は洗ってとっておきます。ボウルの代わりにしたり、残り物の上にかぶせてホコリよけにしたり、ラップ代わりにもなりますよ」
●3.使わなくなった雑貨の一部をふきんかけに
木彫りが美しいマガジンラックの持ち手は、ひもでつるしてふきんかけに。「不要になっても、いいものは第二の人生を、と知恵を絞ります」
●4.食品についてくる調味料は使いきる
納豆のタレやソースは簡単には捨てません。「濃い味が苦手なので、残ったらお豆腐のあきパックに立てて保存し、使いきります」
●5.トイレットペーパーは部屋でもおしゃれに使用
トイレットペーパーは部屋でも活用。ただ、むき出しはイヤなのでちょっと工夫を。「箱に入れて、きれいな紙を貼って装飾しています」