がんばって部屋を片づけても、またすぐに散らかってしまう…なんてことはありませか? スッキリした状態をキープするために大切なことを、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせた、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)に教えてもらいました。

部屋を片づけたのにすぐ散らかる「3つの理由」とその対策

いったん不用品を捨て、きれいにしたはずなのに、気づくとまた部屋が雑然としてしまう。そんな状態を繰り返す人に、そうなってしまう理由と、きれいをキープするコツを紹介します。

 

●1.ものが多すぎる

部屋が散らかる最大の原因は、ものが多すぎることです。

所持品がたくさんあると、欲しいものをさっと取り出すことができません。目当てのものを見つけるために、そのへんを引っかき回して探すでしょう。取り出すとき、手前のものをよけます。そのように、必要なものを手にするために動かしたものが、部屋の中で散らかってしまうのです。

また、買ったり人からもらったりして新しいものが家に入ったとき、ものが多いと、収納する場所がないので、そのへんにちょい置きします。

さらに、必要以上にものがあると、片づけ作業を先延ばしにしてしまいます。普段使う食器が過不足なくあれば、流しに汚れた食器をためることはないでしょう。洗わないと次の食事で使えませんから。

汚れた衣類も、床やランドリーバスケットの中に放置せず、さっさと洗って所定の場所にしまうはずです。取り込んだ洗濯ものを、部屋の片隅で山にしておくのは、ほかにいくらでも着るものがあるからです。

ものが多すぎる問題の解決法はとてもシンプルです。数を減らせばいいのです。さらなる片づけを行って不用品を一掃してください。

買い物をしすぎないことも重要です。せっかく不用品を捨ててスッキリさせたのに、どんどんものを買って家に入れてしまったら、元通りになるのも無理はありません。

衣類、バッグ、調理ツール、食器、洗剤など普段使うものの用途を細かく分けすぎないことも、ものを減らすのに役立ちます。できるだけ汎用性のあるものを使いましょう。

 

●2.出しっぱなしグセ

ものを使ったあとすぐにしまわないと、使ったものがどんどん部屋に散らかります。出して使ったら、できるだけ早くしまってください。

すぐに片づけることができないなら、1日10分〜15分、平日(週に5日)は毎日、そのへんに散らかっているものを片づけてはどうでしょう? もちろん、週に7日やってもかまいませんが、平日だけ取り組んで、週末は、スッキリした部屋でリラックスするのがいいと思います。

毎日できない人は、週に1度リセットするのも、なにもしないよりずっとましです。ゴミ収集日の前日にやるといいでしょう。

すぐに片づけられるように、しまいやすい収納を意識するのも有効です。よく使うものは、取り出しやすい場所にしまってください。

ものの出し入れは、すっかり習慣になっているので、いちばん収納しやすい場所に、めったに使わない大きなものを置いて、気づいていないことがあります。なにかをしまうとき、自分の動きに意識を向けて、収納の無駄を発見し、改善しましょう。

●3.紙類の処理の先延ばし

家の中でいちばん散らかるのは紙ゴミではないでしょうか? 心身共に余裕がなく、まったく片づけができないときも、紙だけはきっちり始末をつけてください。

そのへんに紙が山になっていると、大事な紙がどうでもいい紙にまぎれてしまい、あとで、余計な行動をすることになり、ますます余裕がなくなって部屋が散らかります。

その日家に入った紙を、下駄箱やテーブルの上にとりあえず置いてしまうのはやめましょう。

紙ゴミを増やさないために、受け取る必要のない郵便物やカタログは積極的に止めてください。銀行やクレジットカードの明細、習い事関係のお知らせ、会報など、デジタルデータがあるものは、すべてオンラインで確認します。

さらに、自分なりに紙をためないシステムをつくってください。届いた郵便物を入れるカゴやトレイを用意して、毎週日曜日には中身を確認し、不要なものは捨て、必要なものはファイルするなど。

私は、「ジャンクメールお断り」のステッカーを郵便受けに貼っているので、DMは届きません。チラシが郵便受けに入っていたら、裏が白紙のものはメモ紙としてすぐに使い、そうでないものは、キッチンにあるリサイクルゴミ用のゴミ箱に即捨てします。チラシを発見してから3分以内には処理が終わっています。

以上、部屋を散らかさないコツを紹介しました。ものを間に合わせの場所に置かないことを意識するのも重要です。たとえば、外出から戻ったら、着ていたジャケットは、床や椅子、家具の上など、中間地点に置くのではなく、フックやハンガーなど決められた場所(最終地点)に一度で戻してください。

スケジュールに余裕を持たせることも役立ちます。朝、ギリギリまで寝ていて、出勤前にバタバタしていたら、そのへんに出したものをしまう余裕がありませんから。

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