ファミリークローゼットをウォークスルーにすると、廊下の役目も果たし、限られた床面積を有効に使うことができます。半年ほど前に大手ハウスメーカーで平屋を建てた日刊住まいライターは、LDKと玄関の動線上にウォークスルークローゼットをつくりました。着替えや外出に便利なうえに、洗濯動線もコンパクトになり大満足。ただ、家族5人で5畳というサイズは、狭かったという後悔も。詳しくレポートします。

廊下を極力なくし、ウォークスルークローゼットを採用

筆者は、夫と子ども3人(15歳、8歳、5歳)の5人家族。半年ほど前に大手ハウスメーカーで平屋を建てました。

延床面積は37坪。家づくりをしているときは、この広さを変えることはなく、各部屋は広く使いたいと、パズルのように間取りを決めました。

部屋と部屋をつなぐには、どうしても廊下が必要。ですが、筆者にはこれがとてももったいないように思えました。そこで、廊下にも収納にもなる機能的な空間にしてしまおうと、ウォークスルークローゼットを採用することに。

実際に住んでからも、筆者は、通路を兼ねるウォークスルークローゼットをとても便利に感じています。

 

余談ですが、わが家のクローゼットは、「凸」のような形をしています(通り抜けする通路途中、脇に小部屋があるようなイメージ。

じつは当初、ハウスメーカーから提案されたプランでは、「小部屋」にあたる部分はトイレでした。

 

一方、現在トイレの場所は、最初のプランでは廊下でした。しかし、ただの廊下にしておくのは、もったいない!

納戸にする案もありましたが、どうせ収納する場所にするならと、トイレにする予定だった場所も含めてクローゼットにしたのです。

こうして、できる限り廊下をなくすことで収納力も上げることに成功しました。

クローゼットを1つにまとめて、洗濯動線もスムーズに

最近では、ランドリールームとクローゼット直結の間取りをよく見かけるようになりました。筆者も理想の間取りだと思っていました。

しかし、わが家の場合は、スペースを確保することが難しかったため、できる限りランドリールームの近くに、クローゼットを配置することに。

 

とにかく、洗濯動線を重視。シンプルな洗濯動線になるよう、クローゼットの数を1つにしました。

そうすることで、衣類の収納場所が集約され、あちこちにしまいに行く手間がなくなります。

 

ランドリールームに近い方の出入り口は、あえて、扉の設置をしていません。

わが家はランドリールームで衣類を乾かすときに、ハンガーを使っています。乾いたらそのまま、クローゼットのハンガーパイプにかけるという習慣に。その移動の際、両手にたくさんの服を抱えることになるので、扉がジャマになると思ったのです。

実際に暮らしてみても、やっぱり扉をなくして正解でした。もし、扉をつけていたとしても、ほぼ閉めることのない扉になっていたでしょう。

じつはリビング側の扉も普段は、あけっぱなしにしています。エアコンをつけたときくらいしか、閉めることはありません。

 

家の中心にクローゼットがあると着替えもスムーズ!

家族は朝起きると、みんなリビングに来ます。子どもたちに着替えるよう促すと、子どもたちはすぐに隣のクローゼットへ。リビングにいる筆者も、洋服を選ぶ子どもの様子が確認しやすく、声もかけやすいです。

 

ウォークインクローゼットは着替えの場所としても便利です。じつはわが家のリビングには大きな窓があるため、プライバシー面で少し心配が。

しかし、ウォークインクローゼットの死角を利用すれば、外からの視線を気にすることなく、着替えられます。また、その際も、筆者はリビングにいる子どもの様子がわかるので、とても安心。

外出をして帰ってきた際も、家の中心にウォークスルークローゼットがあることで、自然な流れでアウターをしまいに行けます。

また、冬のとくに寒い日に、部屋用のアウターを、すぐに取りに行けたことも助かりました。

クローゼットを寝室と切り離して、ぐっすり眠る

生活感がとても出る場所なので、寝室の奥にクローゼットを設ける間取りも多いと思います。以前住んでいたマンションの間取りもそうでした。しかし、この間取りだと、たとえば夫婦の生活リズムが異なるような場合に不都合が生じます。

以前のマンションの生活では、朝が早い筆者と、起きるのが家族でいちばん遅い夫の間で問題が。寝ている夫のそばで、何度もクローゼットを行き来する筆者の気配が、夫の安眠をジャマしてしまうことが度々ありました(女性は、なかなか服が決まらないものです)。

一方、夜はというと、筆者や子どもが寝静まってから、帰宅した夫が寝室奥のクローゼットで物音を立てる…という状況に。

しかし、クローゼットが寝室の切り離された、今のわが家の間取りならば、こうした心配はなし。「気持ちよく寝ていたのに起こされた」「もしかしたら、家族を起こしてしまうかも」といったストレスから、夫婦ともに開放されました。

 

5人家族で、5畳のウォークスルークローゼットは狭い!

わが家のウォークインクローゼットのサイズは5畳。クローゼットとしては大きめだと思います。しかしながら、ファミリークローゼットとして家族5人で使うのには小さかった!

そもそも、なんで5畳になったのかというと…間取り上そうなっただけで、当初は「4畳以上なら大丈夫だろう」と漠然と考えていました。

なんせマンション時代のクローゼットは、1.5畳程度。この大きさで収納できる量は、夫婦2人分の洋服が限界。寝室の押入れ、子ども部屋のクローゼットなどを使って、家族の洋服をバラバラの場所に収納していました。

そんな環境でしたので、4畳もあれば収納は問題ないだろうと思っていたのです。間取りの都合上で5畳とさらに広くなったので、「むしろスペース余るんじゃないの?」と、たかをくくっていました。

引っ越し時に、大量に処分をしたものの、家族5人の服を5畳のクローゼットに収納するのは至難の業。なんとか収納グッズを駆使して、収納しています。できることなら8畳ぐらいは確保しかったと思います。