新型コロナウイルスの重症患者に向き合い、医療の最前線で活動している医師から地域医療の在り方などを学ぶ講演会が18日、那須塩原市で開かれました。

 この講演会は那須塩原市が開いたもので、市民およそ130人が参加しました。講師を務めた済生会宇都宮病院救命救急センター長の小倉崇以さんが「コロナ禍で考えるまちづくり~医療は、まちを育て、ひとを育てる~」をテーマに講演しました。

 宇都宮市出身の小倉さんは、宇都宮高校を卒業後、東京慈恵会医科大学に進み卒業後は、イギリスのケンブリッジ大学で人工心肺装置「ECMO」の技術を習得しました。現在は、日本救急医学会ECMOネットワーク特別委員会の委員長を務め県内を中心にECMOの普及啓発に取り組んでいます。

 小倉さんは医療の最前線で新型コロナウイルスと3年間闘ってきたこれまでの経験から、「人を救うのは最後は人であり医療機関やスタッフの数など医療供給体制を見つめ直す必要がある」と説明しました。また、栃木県は関東で唯一、高度救命救急センターがないことに触れ「高度救命救急センターを設置し、コロナに強いまちづくりをしたい」と訴えました。