3月3日の桃の節句を前に、日光市の田母沢御用邸記念公園で子どもの健やかな成長を願って色とりどりの人形を飾る「つるし雛(びな)飾り」が訪れる人を楽しませています。

 色とりどりの「つるし雛」が会場を彩ります。「つるし雛」は、江戸時代に高価なひな人形の代わりに着物の切れ端などで人形を作り、天井からつるしたのが始まりとされています。会場に並ぶ約230種類の鮮やかな「つるし雛」は、地元の縮緬(ちりめん)細工教室の生徒が子どもたちの健康や健やかな成長を願って作りました。畳に置かれた手作りの手まりが近代和風建築の御用邸の雰囲気を引き立てます。

 また、今年は初めてくす玉の花飾りも加わり、華やかさが増しました。作品を手掛けた「古布・縮緬細工教室まゆ」の高見節子さんは「人形一つ一つに物語がある。種類豊富な『つるし雛』を見て、楽しい時間を過ごしてほしいです」と話しています。

 田母沢御用邸記念公園の「つるし雛飾り」は3月5日まで楽しめます。