Gmailを考案して開発を主導したポール・ブックハイト氏が「対話型AIのChatGPTは1〜2年でGoogleを破壊する可能性がある」という見解を述べました。ブックハイト氏は、ChatGPTがGoogleの最も収益性の高い製品である検索エンジンを排除すると考えています。



ChatGPT can “destroy” Google in two years, says Gmail creator | The Financial Express

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AI研究団体であるOpenAIが2022年11月に発表したChatGPTは、自然言語処理モデルであるGPT-3からの派生モデルをベースにした対話型AIで、人間が入力した文章に対して自然な精度でコメントを返してくれます。

ChatGPTのような対話型AIは「検索したい内容を直接テキストとして入力し、それに応じた検索結果を自然な会話調の文章で表示する」という検索エンジンの新しいスタイルを生み出すものと期待されています。検索エンジン市場のシェア1位であり続けたGoogleにとってChatGPTは脅威であり、Googleの幹部がChatGPTのリリースに対して緊急事態宣言(コードレッド)を宣言したことも報道されました。

ChatGPTのリリースでGoogleは「コードレッド」を宣言、AIチャットボットが検索ビジネスにもたらす脅威に対応するためにチームを再割り当て - GIGAZINE



ブックハイト氏は「Googleは1〜2年で完全に破壊されるかもしれません。Googleが最も収益を得ているであろう検索結果ページが、ChatGPTによってなくなってしまうかもしれません。たとえGoogleがAIに追いついたとしても、彼らのビジネスの最も価値のある部分を破壊しない限り、それを完全に展開することはできません!」とコメントしました。

さらにブックハイト氏は、インターネット普及以前は当たり前のように使われていた電話帳のイエローページに言及。イエローページもかつては素晴らしい事業だと称賛されていましたが、インターネットが普及してGoogle検索が当たり前になったことで、誰もイエローページを使わなくなったと述べ、AIが今ウェブ検索に同じようなことをしているのだと警告しています。



ただし、ChatGPTはあくまでも文の構造や表現が人間のような精度で自然であるというだけで、回答の内容の正確性については一切考慮していません。そのため、質問によっては全く違う内容や支離滅裂な内容を答えることもあり、検索エンジンとして実用的になるのにはまだ先になる可能性もあります。

なお、ChatGPTに対抗するためにGoogle自身も対話型AIを組み込んだ新しい検索エンジンのデモを開発しており、2023年に開催されるGoogleの開発者向け年次会議である「Google I/O 2023」でAI製品が多数発表されるのではないかとウワサされています。