三笘薫が圧巻フィニッシュで劇的後半AT弾! 前回王者リバプール撃破で5回戦進出《FAカップ》

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FAカップ4回戦のブライトンvsリバプールが29日にアメックス・スタジアムで行われ、2-1で勝利したブライトンが5回戦進出を決めた。なお、ブライトンのMF三笘薫はフル出場した。

3回戦で2部のミドルズブラを一蹴して初戦を突破したブライトンは、リーグ前回対戦で3-0の快勝を飾った強豪相手に5回戦進出を目指した。2-2のドローに終わったリーグ前節のレスター戦でスーパーゴールを決めた三笘が引き続き左ウイングでスタメンを飾った一方、今冬のステップアップを求めるカイセドが今週に入って練習を欠席しており、招集外となった。

対するリバプールは再試合となったウォルバーハンプトンとのプレミアリーグ勢対決を制し、4回戦に進出。ただ、苦戦が続くリーグ戦では直近のチェルシー戦のゴールレスドローで3戦未勝利。惨敗したブライトン相手のリベンジを巻き返しのキッカケとしたいクロップ監督は、リーグ戦から先発1人を変更。ミルナーに代えてアレクサンダー=アーノルドを右サイドバックに入れた以外同じメンバーを継続した。

今季プレミアリーグの2度の対戦で多くのゴールが生まれたこのカードは、FAカップにコンペティションを移してもオープンな展開となる。前回対戦のリベンジに向けて意気込むリバプールは、開始4分にボックス内に侵入したサラーに連続でシュートチャンスも、ここは相手DFの身体を張ったゴールカバーに阻まれる。

一方、立ち上がりのピンチを凌いだブライトンは、絶好調の三笘がアレクサンダー=アーノルドとのマッチアップで積極果敢な仕掛けを見せ、序盤からリバプール守備陣の脅威となる。そして、ホームチームは15分にボックス付近での細かな繋ぎからボックス中央でグロスのパスを受けたファーガソンに決定機が訪れるが、枠の左隅を捉えたシュートはアレクサンダー=アーノルドの見事なゴールカバーに遭う。さらに、21分にはファーガソンとのパス交換で中央突破を見せた三笘が左足に持ち替えてシュートを放つが、これはGKアリソンの正面を突く。

その後も一進一退の攻防が続く。25分にはハイラインの背後へ飛び出したサラーに絶好機が訪れるが、これは得意の左足のシュートを枠の右に外してしまう。だが、序盤から積極的に相手の背後を狙い続けたアウェイチームの仕掛けが結実する。

30分、ハーフウェイライン手前でルーズボールを回収したケイタがすかさず右サイドでスペースを狙うサラーに縦パスを通す。そのままボックス付近までドリブルで運んだサラーが冷静にボックス内へ走り込むエリオットへラストパスを繋ぐと、エリオットの右足シュートはGKスティールに右手で触られたものの、そのままゴール左隅に決まった。

今季3度目の対戦で初めてビハインドを背負ったブライトンだが、慌てることなく失点前同様のアプローチで反撃を試みる。すると39分、左CKの二次攻撃からアレクサンダー=アーノルドのヘディングクリアに反応したランプティがエリア外から右足を強振。この鋭いグラウンダーのシュートをゴール前の密集にいたダンクがかわし切れずに足で触ると、GKアリソンの反応の逆を突く形でゴールネットを揺らした。

ダンクの意表を突くゴールによって試合は1-1のイーブンで後半に突入。ブライトンはウェブスターを下げてハーフタイム明けにフェルトマンを投入した。後半はブライトンが引き続き三笘を起点に良い形で攻撃を仕掛けていく。54分には左サイド深くでDF2枚と対峙した三笘が深い切り返しからの急加速でアレクサンダー=アーノルドを振り切ってボックス内に侵入。ゴールライン際からマイナスに折り返すと、マーチの胸での落としからグロスにシュートチャンスもこれは枠を外れる。

一方、後半は今一つ流れを掴めないリバプールは60分手前に3枚替えを敢行。三笘に苦戦のアレクサンダー=アーノルドとナビ・ケイタ、エリオットを下げてミルナー、ヘンダーソン、ヌニェスを投入した。

この交代によってリバプールが盛り返して試合は膠着状態に陥るが、三笘に後半2度目の見せ場。71分、左サイドのスペースでフィードを受けた三笘はボックス付近まで運んで右足アウトにかけた完璧なクロスを供給。これにマーチが飛び込むがGKアリソンの好守に阻まれる。

後半半ばから終盤にかけても一進一退の攻防が続く。その中で両ベンチは積極的に交代カードを切り、試合を決める勝ち越しゴールを目指す。互いに決定機まであと一歩という場面が目立ち、引き分け再試合も頭をよぎり始めた中で日本代表MFが試合を決める決定的な仕事を果たした。

5分のアディショナルタイムが加えられた92分、マク・アリスターの身体を張ったプレーで得たボックス手前右のFKの場面でキッカーのグロスが浮き球のボールをボックス左で浮いたエストゥピニャンに通すと、エストゥピニャンが浮き球で丁寧に折り返す。これをボックス右で受けた三笘は、巧みなアウトサイドでのファーストタッチからわざと浮かせてDFジョー・ゴメスをかわすと、ボールが浮いた状態ですかさず右足アウトを使ったシュートをゴールネットに突き刺した。

そして、三笘の劇的な公式戦2試合連続ゴールで勝ち越しに成功したホームチームは冷静にリバプールのパワープレーを凌ぎ切って2-1の勝利。リーグ前回対戦に続いてリバプールを退けて5回戦進出を達成した。一方、敗れたリバプールはEFLカップに続きFAカップ連覇を逃すことになった。