TOKYO, JAPAN - MARCH 17: Hayato Sakamoto #6 of the Yomiuri Giants bats during an exhibition game against the Seattle Mariners for the 2019 Opening Series at the Tokyo Dome on Sunday, March 17, 2019 in Tokyo, Japan. (Photo by Alex Trautwig/MLB via Getty Images)

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 不動のキャプテンとしてチームをけん引してきた巨人・坂本勇人内野手(33)がプロ人生の岐路を迎えている。

 坂本は4日、11年ぶりに参加した宮崎秋季キャンプを打ち上げた。中山、湯浅ら若手と守備練習に汗を流したキャンプを振り返り「このまま継続していいシーズンにできるようにやっていきたい」と今後を見据えた。

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 第1クールのみ、わずか3日間の参加だったが、若手主体の秋季キャンプに参加したのは11年ぶり。異例の自主志願とあって、それだけ危機感を持っていることの現れだろう。

 悔いが残るシーズンとなった。今季は開幕前を含め3度の故障離脱。特に4月のプレー中のケガにはチーム内に衝撃が走った。4月30日の阪神戦(東京ドーム)で7回の守備中に遊ゴロを処理した際に負傷。このプレーで坂本は右膝内側側副靱帯損傷と診断され、抹消となった。

 遊撃手としてのルーティンの動きの中で負傷したことに、本人もショックを受けたが、首脳陣も頭を抱えた。今季は遊撃での先発出場はレギュラー定着後最少の「82」試合にとどまった。不動のキャプテンの不在期間が長かったことで、チームも4位と低迷。4月のケガ以降にも腰痛を発症と年間通してコンディション維持に苦しんだことから、原監督も「(試合に)出るからには長く出てもらいたい」と改善を求めた。

 そんな坂本には、コンバートプランもつきまとう。シーズン中には体の負担を考えて、一時は原監督から一塁コンバートを提示されたこともあったが、本人が拒否。ただその後も故障を繰り返したとあって、果たしてどこまで遊撃ポジションを守れるかが注目されている。

 この点に関して、4日付けの「スポーツ報知」に掲載された、巨人OBの高橋由伸氏、村田真一氏、宮本和知氏3人の対談の中で高橋氏は「坂本は1年全部出るには難しいとしても、ショートで出なければ現状、チームは組めないでしょう」とコメントしている。

 今季坂本が離脱する中、最も多く遊撃ポジションを守った中山や増田陸にしろ、攻守あわせての部分ではまだまだ坂本には及ばない。「ポスト坂本」が育っていない現状を踏まえて、ベテランの力が必要だと見る。

 それでも転換期には違いない。すでに高橋氏から「1年全部出るのは難しい」と指摘されているように、満身創痍となっている坂本のコンディションを考慮すれば、年間通してのフル出場は難しく、今後は定期的に休養を取らせる、などの措置は必要と見られている。

 果たして本人が強いこだわりを持つ遊撃ポジションをいつまで守り抜くことができるのか。来季は5年ぶりの復帰となる長野との「サカチョーコラボ」も期待される中、背番号「6」は這い上がれるか。意地を見せたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]