アビスパ福岡がJ1残留へ王手。相手の裏を突いた、狙いすました攻撃のカラクリとは?
Question
縦パスを受けた山岸が中へ。このあと福岡はどのように崩したか?
Jリーグ第33節、アビスパ福岡対柏レイソルが行なわれ、ホームの福岡が2-1で勝利した。福岡は勝ち点を37に伸ばし、順位も15位から14位に浮上。残留に王手をかけた。
前半開始4分に福岡の山岸祐也が早々と先制に成功すると、44分にもフアンマ・デルガドが加点。福岡が前半で2点のリードを奪った。
柏が後半頭から3人交代でシステムを変更すると、後半2分に1点を返した。そこから勢いを増す柏に対して、福岡がなんとかしのぎきり、上位の柏を相手に2-1の接戦を制した。
今回は、福岡の先制点のシーンを取り上げる。
前半4分、シャドーの山岸が左サイドに開いたところへ、ボランチの中村駿から縦パスが入る。

ボールを受けた山岸が中へ入る。このあと福岡はどのように相手を崩したか
山岸は、マークについてきた柏センターバック(CB)の高橋祐治を引き連れながら、中へ入っていった。
この時、左ウイングバックの志知孝明が動き出している。次の瞬間、福岡はどのようにして崩しただろうか、というのがQuestionである。
Answer
フアンマが左サイドに展開。志知からのクロスを山岸が合わせた
このシーンでは柏の3バックに対して、山岸のポジショニングがポイントとなった。

山岸が運んだボールをフアンマが左前へ展開。これを受けた志知のクロスから山岸がゴール
福岡は3-4-2-1のシステムに対して、柏は3-3-2-2のシステムで、ダブルボランチか1アンカーの違いで、互いに3バックを採用した。
立ち上がりから、シャドーの山岸は柏の3バック脇の左サイドへ開くようにポジションを取っていた。そこで釣り出されるのが柏右CBの高橋である。
開いた山岸へボランチの中村から縦パスが入ると、山岸は高橋を引き連れて中へ入って行く。これによって、左サイドにスペースが生まれた。そこへ猛然とオーバーラップをしかけたのが志知だ。
山岸が中へ入り、流れたボールを中央のフアンマがワンタッチで左サイドへ展開。スペースへ駆け上がった志知が抜け出した。
これによって、柏の守備ラインは大きく後退を余儀なくされる。ペナルティーエリア内に福岡の中村、ルキアン、湯澤聖人がなだれ込み、その一つ手前のエリアが空いたところへ志知がクロスを入れると、最後は遅れて入った山岸が合わせて先制となった。
サイドに開いてから中に入ることでスペースを空ける山岸の動きを起点に、鮮やかに相手を崩したシーンだった。柏は福岡の前線に対応できず、後半頭から4-4-2にシステムを変えざるを得なかった。
福岡は順位を残留圏の14位まで上げたが、プレーオフ圏内の16位の京都サンガF.C.との勝ち点差は2ポイント。得失点差を考えると、最終節で引き分けると逆転される可能性がある。
2年連続の残留をかけ、アウェーの浦和戦でどんな戦いを見せるか注目したい。
