20年前の2002年10月27日、延長わずか2.2kmの芝山鉄道が開業しました。

成田空港の裏を抜けていくミニ鉄道


旧カラーリングで走る芝山鉄道の車両(画像:芝山鉄道)。

 今からちょうど20年前の2002(平成14)年10月27日。延長わずか2.2kmの「日本一短い鉄道」芝山鉄道が開業しました。

 かつての京成線の「成田空港駅」からさらに延伸し、空港敷地の南東側にある芝山千代田駅までをむすぶ鉄道として建設されました。

 わずか2.2kmしかない鉄道が生まれた背景は、成田空港によって周囲と隔絶されたようになる地区を鉄道で直結して救済するためとされています。

 のちに空港の手前から分岐して新ターミナルへ向かう新路線が開業すると、「成田空港駅」は「東成田駅」になり、旧線も「京成東成田線」という支線として、ほぼ空港関係者のみが利用する路線となり、今に至ります。芝山鉄道は、その東成田線の延伸部として開業したのです。

 現在、列車は約40分間隔で運行され、ほとんどが京成成田を発着しています。ラッシュ時には都心方面へ直通し、羽田空港から快特としてやってくるロングラン列車もあります。

 もともとは真っすぐ芝山千代田駅まで行く予定だったのですが、用地取得の関係で、東成田駅を出ると急カーブで迂回するような線形になっています。芝山千代田駅は滑走路や空港関連施設に隣接し、駐機中の機体をホームから間近に見ることができます。

 将来、空港周辺地区のアクセスにとどまらず、このまま房総半島の付け根を横断し、九十九里に近い蓮沼海岸まで延伸するという構想もあります。周辺自治体によって作られる「芝山鉄道延伸連絡協議会」はこの構想案を「騒音下各市町及び東総地域の発展策」としており、横芝屋形海岸から空港へのシャトルバスを「暫定措置」として運行しています。