54、55号を放ったヤクルト・村上宗隆【写真:小林靖】

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残り15試合、NPB記録の60本塁打の更新にも期待が懸かる

 ヤクルトの村上宗隆内野手が13日に神宮球場で行われた巨人戦で2発を放ち、1964年の王貞治(巨人)が記録した日本選手最多の55号に到達した。この快挙に、米メディアの注目度も増している。

 CBSスポーツは「日本のスラッガー、ムネタカ・ムラカミが2022年シーズン55本目のホームランを放ち、日本の本塁打の歴史をつくる」との見出しで報じた。ヤクルトは残り15試合。NPB記録で、元マリナーズの外野手ウラディミール・バレンティンが2013年に記録した60本塁打の更新を目指す。

 同メディアは「バレンティンもスワローズでプレーしており、ムラカミに待ち受ける道はヤンキースのスラッガー、アーロン・ジャッジが通っている道と似ている」と、ロジャー・マリスの球団記録兼ア・リーグ記録を破ろうとしている大砲と比較した。

 13日の試合前時点で、村上は打率.333、出塁率.469、長打率.747、53本塁打、128打点。三振数(108)とほぼ同じ数の四球(105)を選んでいる。本塁打ペースは平均8.2打数に1本。ジャッジは平均9.2打数に1本だ。

 そこで早くも話題となっているのがメジャーでプレーするのかどうかだ。「ムラカミがいつかアメリカでのプレー志望を持っているかははっきりしない。国際FAを司るMLBのルールが、彼の得る市場価値を制限する(25歳よりも若くプロの経験が6年未満である)ため、彼の意思とは関わらずすぐにこちらに来る候補ではなさそうだ」とした。

イチロー、松井、大谷…「偉大な先人の足跡をたどる望みがある」

 また米メディア「ボードルーム」は「ムネタカ・ムラカミの初心者ガイド」として特集。イチロー、松井秀喜、大谷翔平の名前を挙げ「将来有望なスラッガーは、偉大な日本人の先人の足跡をたどる望みがある」と期待し「アメリカでプレーしていない世界で最も印象的な野球選手」と称した。

「米国ならまだ大学を出たばかり、おそらくまだマイナーにいるかメジャーでのキャリアを始めたばかり(の年齢)ということを考えれば、驚異的な偉業だ」と称賛し「彼はただのパワーヒッターでもない。バリー・ボンズのような出塁率と長打率でもリーグトップに立っている」と評価は高い。

「NPBの72年の歴史で最高のシーズンの1つとなる可能性がある。20歳の天才的な投手、ロウキ・ササキのように、ムラカミもいつかMLBのスーパースターになるだろう常識外れの才能を持った選手だ。しかしそれまでは、22歳にして地球上で最も感銘を与える打者が歴史を追いかける姿を見届けよう」

 MLB公式も「ジャッジではない:海の向こうでスラッガーが本塁打記録を追いかけている」と村上の偉業を伝えた。22歳にしてさまざまな記録を打ち立てるスラッガーの名は、世界でもどんどん大きくなっている。(Full-Count編集部)