9月4日の対中日戦で51号2ランを放ったヤクルト・村上(写真・時事通信)

 9月4日、プロ野球セ・リーグ、中日対ヤクルト戦。中日が6対3でヤクルトを降し、対戦成績は中日が12勝9敗でヤクルトに勝ち越している。一方、この試合でヤクルト・村上宗隆は51号2ランを放ち、打率.341、打点125(9月4日時点・以下同)となった。三冠王まっしぐらだ。

 中日は目下、セ・リーグ最下位をひた走る。そんななか、9月5日にベースボール専門メディア「Full-Count」が「中日チームHR数が“村上ひとり”と大差ない衝撃」と題した記事を報じると、大きな話題となった。

 記事によると、中日のチーム57本塁打は12球団で最少。昨季も12球団最少の69本塁打、打率.237と苦戦したが、今季は6月にはわずかチーム6本塁打。7月は12本塁打と盛り返したものの、8月には再び6本塁打に。チームトップはビシエドの12本にすぎず、12球団で2桁本塁打を放っている選手が1人しかいないのは、現時点で中日のみ。

 一方で、ヤクルトの村上は、6月には14本で中日の2倍以上。8月も12本を打っている。仮に両者が8月と同じペースで進めば、中日はチーム全体で63本、村上はひとりで61本でシーズンを終える。村上の好調が続けば、ひとりのホームラン数が、チーム全体のホームラン数を上回る可能性もあるという。

「『貧打』は中日の代名詞とはいえ、2022年は例年にも増して深刻な得点力不足に陥っています。9月1日の対DeNA線で0対7と、今季23度めの零封負けを喫すると、9月3日のヤクルト戦でも0対5と2試合連続、24度めの零敗。1リーグ時代の1948年と1956年の球団ワーストに並んでしまいました。

 投手有利の、広いバンテリンドームナゴヤが本拠地である点は不利といえますが、8月20日には、村上にバンテリンドームで“12球団最多”を更新する7本めのホームランを打たれてしまいました。村上には4割7分も打たれていて、これでチーム本塁打数が村上ひとりに及ばなかったら、目も当てられません」(スポーツ紙記者)。

 中日のチーム本塁打数と村上ひとりの本塁打数を比べる記事が報じられると、ネット上では《それ比べちゃうんだ(涙)》と悲しむ声とともに、中日の貧打を嘆く声が堰を切ったように次々と上がった。

《強いストレートを投げてくる相手にはホームランどころかヒットもほとんど打てない》

《村上選手が名古屋でもこれだけHRを打っている事を考えると、あまり言い訳もできない》

《余りにも酷い。もはや惨状と言って良いレベル》

《無抵抗な負け方があまりにも多すぎる。完封負けは数知れず、逆転勝ちはほとんど記憶がない》

《投手は万全でも打てる選手がいないからね。チーム本塁打、チーム総得点がリーグどころか12球団ワーストだからね》

 中日がヤクルトに勝ち越していることが唯一の救いか。脚光を浴びる村上の裏で、別の意味で長打を期待するファンの視線が、中日にも注がれている。