これは余談になるが、川崎の前からの守備について、蔚山の天野純が初戦で戦ったあとのチーム内の感想として、チームメイトが川崎のサッカーを嫌っていたと話していた。Kリーグでは蔚山に対して、なかなか前から挑んでいくチームがないためだろう。その蔚山には1分1敗の結果だったが、紙一重の戦いだった。

 なお、キックオフ時間の大幅なズレも敗退の理由としたいところだが、これは理由としては弱いので参考程度に書き記しておく。
 
 当地マレーシアは、グループステージ開催期間中、イスラム教にとって最大の行事であるラマダンの最中で、それを理由にJDTは、6試合中5試合が22時のキックオフに。川崎、広州は6試合中4試合を、また蔚山は5試合をまだ日が残る17時キックオフで戦う必要があった(現地時間)。

 ただし公式記録上、川崎の試合の気温は、17時キックオフの初戦の蔚山戦が29度、第2戦の広州戦が27度。第5戦の蔚山戦が31度で、第6戦の広州戦が29度なのに対し、22時キックオフのJDTとの第3戦が28度、同クラブとの第4戦も29度と記録上は大差が見られなかった。

 体感的にはもっと大きな差を感じたが、数字上はそこまでではなかった。ただし試合時間の5時間のズレは、チームスケジュールを動かす必要があるという点で難しさになっていたとのこと。とくに第4戦のJDT戦、第5戦の蔚山戦のキックオフ時間の変更については、地味に難しかったようだ。

 いずれにしても今季も川崎はACLを獲れなかった。その理由を、川崎がJリーグを席巻してきたスタイルと、アジアの環境との親和性の悪さに求めるのは簡単だ。だが鬼木監督は、スタイルを使い分ける状況判断と、悪コンディションでもサッカーができる技術力の向上でそれを解決しようとしている。

取材・文●江藤高志(川崎フットボールアディクト)

【PHOTO】マレーシアの地での川崎フロンターレの戦いを厳選ショットで特集!