TikTok
Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images

ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、米国政府がTikTokiインフルエンサーらにブリーフィングを行って議論を誘導しようとしているとの報道がありました。その一方でロシア国内でも、TikTokインフルエンサーが侵略をめぐるプーチン政権の主張を支持する動画を投稿するのと引き換えにお金をもらっているとの調査結果が発表されています。

米Vice Newsの記事によると、Telegramチャンネルの匿名オペレーターがTikTokインフルエンサーらに、いつどんな動画を投稿するのか、どんな目標を達成すべきかを指示しているとのこと。その中には100万人以上のフォロワーを持つ人物もいるそうです。

このキャンペーンの背後に誰がいるのかは不明ですが、運営者はジャーナリストを名乗っているそうです。その人物はプーチンが国内の全民族に紛争に当たり団結を呼びかける音声を使い、TikTokユーザーに国民の団結を訴えるビデオを投稿するよう求めるキャンペーンを宣伝していたとのことです。

すでにTikTokはロシアでの動画投稿サービスを停止し(ロシア政府がウクライナ侵攻に関する誤情報とみなした投稿をした者は誰であれ懲役刑にすると脅す「フェイクニュース法」に対応して)同国内からの新規アップロードは禁止されています。

が、ロシア側のキャンペーンにとっては、それも障害にはなっていないようです。上記のチャンネル管理者はインフルエンサーに禁止を回避する方法を伝えており、少なくとも一部の制作者は禁止が発動された後にも動画の投稿が確認されているとのことです。

このチャンネルはViceが管理者への取材を行った直後に閉鎖され、ほとんどの動画も削除されたものの、それはキャンペーンチームから依頼されたとの証言もあり。協力への報酬は1投稿あたり2000~3000ルーブルで、12日時点では17ドル(約2000円)に相当したとのこと。あるロシアのTikTokクリエイターは最大2万ルーブルが支払われ、条件は「1日で素早く動画を投稿することだった」と述べています。

かたやTikTok広報はロシア支持のキャンペーンに関して具体的な回答をせず「新たな脅威を検知し、有害な誤報を除去するために安全性とセキュリティ資源を増強してウクライナの戦争に対応」し続けているという定型文を返すに留めています。

ロシア政府が黒幕かどうかはさておき、ウクライナ侵攻を支持する何者かがネット上の世論を誘導しようとしていることは事実と思われます。日々アップロードされる莫大な本数の動画を運営側がすべてチェックすることは期待できず、視聴者側にもフェイク情報に惑わされないリテラシーが求められるかもしれません。

Source:Vice News