UoC UNIVERSITY of CREATIVITY 共同編集長の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするInterFMの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

3月9日(水)の放送では、UoCグローバルプロデューサーの飯塚帆南(Honami)とMisaがパーソナリティを担当。ダンサーのTAKAHIROさんがゲストに登場し、プロのダンサーを目指すようになったきっかけや、最近の活動について語ってくれました。

(左から)Misa、TAKAHIROさん、Honami


ニューヨーク・アポロシアターのテレビコンテストにて、マイケル・ジャクソンを超える史上初の9大会連続優勝を果たし、マドンナのワールドツアーの専属ダンサーにも抜擢。櫻坂46や藤井風などの振付師としても活躍しており、国内外で注目を集めているダンサーです。

◆UoCグローバルプロデューサーがHideの代理として出演

Misa:今日は私とHonamiちゃんで番組を進行します。

Honami:どうぞよろしくお願いいたします! 私は普段、UoCでグローバルプロデューサーとして、UoCの海外連携業務を担当しております。その他にもMisaさんやHideさんと共にPressの活動もおこなっています。また、創造性ゼミのひとつである「五感コミュニケーション」のゼミも担当しております。この場を借りて、ゼミへのたくさんのご応募、本当にありがとうございました!

Misa:今回のゲストは、私たち2人が是非お呼びしたいと思っていた方で、ダンサーのTAKAHIROさんです。世界の第一線でダンサーとして活躍したのち、日本でレッスンや振付など、裏方としても大きな存在感をもつTAKAHIROさんに、創造性についてお話を伺いたいと思います。

◆プロのダンサーになると決意した転機を振り返る

Honami:お久しぶりですね。TAKAHIROさんとまさかこのような形でお会いできるとは。すごくご縁を感じております。

TAKAHIRO:Honamiさんがこのようなお仕事をされているとは知りませんでした。

Honami:実はこちらが本業でして(笑)。早速なんですが、TAKAHIROさんがダンスを始められたきっかけを教えていただけますか?

TAKAHIRO:最初は「ダンサーになろう」という思いはない状態で始めました。18歳、高校生のときに風見慎吾(現:風見しんご)さんの「涙のtake a chance」をテレビで観たんですね。ブレイクダンス、ロボットダンスを踊りながら歌われている姿を見て、衝撃を受けました。

ブレイクダンスのときは「道具も使わず、風車のように背中でぐるぐると回っている」と感じましたし、ロボットダンスのときは「何もない空間の目の前に壁があるようだ。肉体が波のように動いている」「何これ! 魔法じゃん。これはすごい」って思ったんですよ。ぐるぐる動いてもいいし、カクカク動いてもいい。「ダンスって何でもありの世界なんだ。いいな」って気持ちになりました。

Honami:うんうん。

TAKAHIRO:当時、僕は受験校に通っていて課題が多かったんですね。課題に必死に取り組んでいたのにあまり答えられなかったし、運動もあまり得意じゃない。(テレビを観て)「自分のことをカッコいいって自分で思ってみたい。この人のようにはできないけど、一周ターンを回れたらすごくない?」と思って、真似をし始めたんです。

「自分が想像している自分よりもちょっと変われるんじゃないのかな」と思って、うまくやれたときは「変われた! すごい!」なんて自分で言いながらやっているのが好きで、ダンスを始めました。

Misa:積み重ねを続けていくなかで、「自分は本当にダンサーになるんだ」という強い意志を持ち始めたのはどのタイミングだったんですか?

TAKAHIRO:アメリカに行き、勢い余ってコンテストに出場したら優勝を重ねてしまったんですね。後ろを見たら、自分がコンテストで踏みつけてしまった人たちの存在に気付いてしまい、その人たちが「頼むぞ」っていう感じで……。

「俺が戦ったTAKAHIROってやつはすげえんだよ。コンテストのあとにプロのダンサーになって、世界中で活躍したんだよ」って自慢できるぐらいの人になったら、(その人たちも)「なんであいつに負けたんだよ」と思わずに、僕と出会ったことを幸せだと思ってくれる気がする。それぐらいの存在にならなきゃだめだ。プロにならなきゃだめだと思ったのは、そこらへんがきっかけです。

◆共感を得るためには、活動を認知してもらう努力も必要

Misa:モノを作ったり表現する人って自分と向き合うじゃないですか。そんなときに「共感してもらうこと」ってすごく難しいなと感じるんですね。相手に共感してもらうために、日頃から気を付けていることって何かありますか?

TAKAHIRO:僕はアメリカに行ったとき、「大きな大会で優勝したけれど世間に知られていない」という現実に直面しました。同じ時期、サッカー界では中田英寿選手がペルージャに行っていたんですけども、彼がオーバーヘッドキックを決めたら日本中のテレビや新聞が取り上げたんです。

「僕もそれぐらいのことをアメリカのエンターテインメントの世界でやってきたはずなんだけどな」と感じていたんですが、報道はされない。「なんでだろうな」と考えたときに、まずそもそもで「観客の数が少ない」ことに気づいたんですね。「僕たちがダンスを“面白いもの”として見せていないんだ。未来は広いぞ!」と思いましたね。

Honami:そうなんですね〜。

TAKAHIRO:あとは、共感してもらうためには、相手のことも知ることが大切なんだなと最近は感じています。

◆踊りで戦う「漫画」の振付を担当!?

Misa:最近の活動を教えていただけますか?

TAKAHIRO:新しい振付のお仕事があります。今度はですね、「漫画の振付」をします!

Honami:ええ〜!? 想像がつかないです。

TAKAHIRO:「モーニング」(講談社)という週刊漫画誌に連載されている、「黒博物館」シリーズの第3弾「三日月よ、怪物と踊れ」という作品です。作者は「うしおととら」や「からくりサーカス」を描かれた藤田和日郎先生でして、「舞い・踊りをバトルに入れ込む作品を作りたいからアイディアを膨らませたい」とのことで、お声掛けをしていただきました。

Misa:へええ!

TAKAHIRO:先生と一緒に「こんな動きはどうでしょうか!?」「そこに逆手で剣を持つとどうなる!?」「歴史的にこういう動きはどうなんだろう」「だったらこういう動きはどうですか」みたいなやりとりをしています。先生は携帯でムービーや写真を撮られていますね(笑)。

Honami:制作現場を見たくなりました(笑)。

TAKAHIRO:その漫画が始まったばかりなんですよ。

Honami:それはもう、必見ですね!

TAKAHIRO:ぜひご覧ください!

Misa:最後の質問です。TAKAHIROさんにとって、ワクワクする社会創造のタネは何ですか?

TAKAHIRO:タネで言うと「好奇心」だと思います。好奇心がモノを作っていくんじゃないかな。動物というのは、生きるところまではエネルギーを出すけども、そこから先のもの、つまり好奇心は人間だけが持っているんです。好奇心はモノを作るエネルギーにもなるし、逆にモノを壊してしまうこともあるかと思います。なので、好奇心というみんなが持っている才能のタネは、育て方がとても大切なんだろうなと思っています。

Misa:ありがとうございます!

*   *   *

次回3月16日(水)の放送は、フードエッセイストの平野紗季子さんがゲストに登場します。お楽しみに!

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/voice/show/41417と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください!

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聴取期限 2022年3月17日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:平井美紗(Misa)、Honami
番組Webサイト:hhttps://www.interfm.co.jp/mandala