日中韓合同K-POPオーディション『ガルプラ』に見た課題と可能性
松本:投票操作事件発覚からのIZ*ONEの活動休止、X1の解散はまだ記憶にも新しく、ファンの間でも『プデュ』に対しての警戒感みたいなものはさすがにあったように感じます。ただ、『ガルプラ』に関してはそれ以上に「グローバルオーディション」だったことで生まれた問題の方が深刻だったという印象です。
とりわけ、投票制度が従来の『プデュ』シリーズよりもだいぶ複雑になっており、それによって運営の持っていきたい方向が視聴者にわかりやすく見えてしまったり、投票システムを利用した組織票が可能だったりとさまざまな問題が生じ、それが結果的に視聴者の不満や批判に繋がっていたように思います。
松本:韓国は、中国や日本と比べると人口が少ないので、そこで不平等が生じないように制約や傾斜を設けたのだと思います。また一方で、Kメンバーに有利になりすぎてしまうと、それはそれで「グローバル」の意義がなくなるので、舵取りが難しかったことは想像できます。最終的なデビューメンバーについても、たとえばCやJのメンバーがゼロという結果は避けたかったはずです。
─当然ながら結果を直接「操作」することはできないわけですから、投票制度や番組進行の仕組みを調整することで、コントロール不能な投票結果をコントロールしようとした、と。
松本:そう思います。その結果、仕組みが複雑になりすぎたことや、投票に偏りが生まれるかもという懸念で批判が集まったわけですよね。
しかし問題は、そもそもこうした運営による「調整」が、「視聴者投票型のサバイバルオーディション」のコンセプトと根本的にバッティングしてしまっているということです。
投票の仕組みを調整することで結果を一定の範囲に収められるのであれば、そもそも「投票数が人気を反映している」という建前自体が崩れます。もっといえば、「グローバル投票では人気だけど韓国国内ではそうでもない」という結果が票差という形で極端にあらわれてしまったときに、そのメンバーは果たして「人気」と表現できるのか。
別の言い方をすれば、いままでの『プデュ』シリーズの投票制度は、シンプルであるがゆえに理不尽が受け入れやすかったとも言えます。本来は優劣をつけられないものを、「無理矢理」視聴者投票で決めるということに意味があったというか。今回は複雑になりすぎた結果、視聴者投票が本来もっていた不完全さが浮き彫りになってしまったような印象です。
