「あれは辻さんが悪い」93年日本シリーズで起きた死球事件の顛末を橋上秀樹氏と荒木大輔氏が振り返る

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 プロ野球界の一流指導者たちが出演し、野球ファンの間で話題になっている、ヤクルトスワローズなどで活躍し、引退後は楽天、巨人、西武、ヤクルトさらには侍ジャパンでコーチを務めた現・BCリーグ新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ監督の橋上秀樹氏が自身でおこなっているYouTubeチャンネル「橋上秀樹アナライズTV」。

今回のゲストは現役時代ヤクルトで活躍し、引退後は西武、ヤクルト、日本ハムでコーチを務めた荒木大輔氏。

93年の日本シリーズのエピソードを振り返りながら、現役時代の荒木氏の投球スタイルについて語られた。

【動画】荒木大輔氏が語る、93年の日本シリーズのデッドボールはどっちが悪い?土橋正幸のとんでも采配!
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93年に行われたヤクルト対西武の日本シリーズ。この試合に荒木氏と橋上氏の両者はヤクルトの中心選手として出場し、対戦相手には現在、埼玉西武ライオンズ監督を務める辻発彦氏が出場していた。

その初戦に先発した荒木氏はいきなり初回に、2つの死球を与えてしまう。まさにそのうちのひとりが辻氏だった。
西武で指導者を共にやった経験のある橋上氏によると、当時の事を辻監督は「荒木は平気な顔して当ててくるんだよ」とわざと当てられたと思っていたことを明かした。

これには当事者の荒木氏も

「違うんだよ、逃げなかったの向こうが。打席の一番前に立って、下がらないからぶつかる。しょうがないじゃん。それはバッターとピッチャーの感覚だから。どっちが良い悪いじゃない」

と語り、あくまでインコースを厳しく攻めた結果であって、故意ではないことを主張しながらも、最終的には避けなかった辻監督が悪いと結論付けた。

しかし、荒木氏の強気な投球スタイルによって死球を当てられた辻監督も、「(荒木)大輔の顔を見てたら怒るに怒れなかった。かわいい顔してるから、怒りがおさまる」と語っていたことを橋上氏は明かし、先輩にも好かれる選手だったことが垣間見えた。


そんな荒木氏に対して橋上氏は、普段温厚なイメージを持っているとしながらも、ひとたびマウンドに上がると強気なスタイルに変わったという印象を持っていたという。

それに対しては荒木氏自身も、「ピッチングは別」だと持論を展開し、死球覚悟で攻めることの大切さを語る場面も。この攻めの姿勢こそが、ヤクルトが常勝軍団に変わっていく上で求められた姿勢ともいえる。

さらに荒木氏はピッチングコーチという立場になっても、現役選手たちにそのイズムを伝えているという。

「(選手が)甘く入って打たれてファームに行くのは勝手だし、当てろって言ってるわけじゃないからさ。それが投げられなかったら、1軍では勝てないよという話はする」

と指導していると語り、橋上氏も「大人の言い方ですよね」と、その指導に理解を示した。

動画内で両者は他にも、暗黒時代と言われたヤクルトのとんでもない采配などについて振り返っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]