日ハムの「盛り上げ番長」が危機感抱く「新庄シフト」とは

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 日ハムのベテラン、杉谷拳士内野手(31)がチーム生き残りに強い危機感を示している。

 13日、楽天との練習試合(沖縄・金武)に「2番・二塁」でスタメン出場した杉谷は、3打数無安打で途中交代となった。この日の試合前には、話題のバーチャル打撃マシンに新庄監督の現役時代の投球フォーム映像が流れたが、逆に意識したのか「試合用のバットが折れちゃいました」と苦笑。その後、臨んだ練習試合でもアピール叶わず、名護に戻ってからも遅くまで自主練習で汗を流した。危機感を募らせる背景には、自身の置かれている環境もある。

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 今オフは恒例行事となっていた「リアル野球BAN」(テレビ朝日系)への出演も控え、自主トレに励んできた。プロ14年目にして真剣にレギュラー奪取を狙う杉谷には、帝京高校野球部の先輩で、目をかけているタレントの石橋貴明も折に触れ、ゲキを飛ばしている。

 昨年は自身の考案で日めくりカレンダーを発売し、好評を博すなどチャーミングな人柄でチーム随一の人気を誇る「盛り上げ番長」としても知られる杉谷だが、肝心の成績は昨年も54試合に出場して打率・117、2本塁打、9打点とふるわない。

 「正直いってこの成績でチームに残れているということは営業面など他の意味でチーム貢献の期待などもあるのでしょう。ただ、新任の新庄監督は結果が出なければ見切りが早いともいわれています。伸び盛りの若手選手も必死にアピールしている中、監督が目指す野球にフィットしなければ厳しい状況に置かれそうです」(放送関係者)


 練習試合の打順はガラポン方式で決める、守備位置を内外野シャッフルするなど、話題性が先行しているが、新庄監督の目指す野球は段々と姿を現しつつある。

 「ヒットなしでも1点を取る野球」「1点を守る野球」を掲げ、機動性重視、守備力強化も打ち出している。その意味では昨季の試合中にも大事な場面でベース踏み忘れなど、集中力の欠いたプレーも見られたとあって、杉谷には打撃、守備ともにより確実なプレーが求められている。栗山体制では重宝されたベテランも「新庄シフト」となったことで、今後はよりワンプレーに向けられる目はシビアになりそうだ。

 各チーム、開幕に向け、ふるい落としはすでに始まっている。今季こそ目指す定位置奪取となるか、プロ人生を賭けた杉谷の戦いの行方に注目が集まる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]