UoC UNIVERSITY of CREATIVITY 共同編集長の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするInterFMの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

2月9日(水)の放送では、UoCの第2期ゼミを担当する、プログラムディレクターのHIROさんとMANABUさんが登場。それぞれが担当するゼミの内容を紹介しました。

(左から)Hide、HIROさん、Misa


「we are All Born Creative」を理念に、創造性を教育・研究・社会実装するUoCは、第2期ゼミの募集を2月9日(水)より開始しています。今回の放送では、「カーボンニュートラルと創造性」と「創造性特区を作ろう」のゼミの担当者をゲストに招きました。

◆UoC第2期ゼミの内容を2週に渡ってお届け!

Hide:先週に引き続き、UoCで現在参加者を募集しているゼミについて特集します。UNIVERSITY of CREATIVITYのゼミではどんな研究をしているのか、ご紹介も兼ねて僕らの仲間である担当ディレクターと一緒に語り合っていきます。

Misa:第2期ゼミ応募についての詳しい情報については、UoCのWEB サイトをご覧ください https://uoc.world/seminar/2022

Hide:第2期のゼミは、数多くあります。今週も、そのなかから2つ紹介します。

Misa:前半は「カーボンニュートラルと創造性」、後半は「創造性特区を作ろう」がテーマです。

Hide:みなさんに興味を持っていただけたならば何よりです!

◆脱炭素を“経済発展のチャンス”に変えたい

Hide:では、1人目のプログラムディレクターを紹介しましょう

Misa:「カーボンニュートラルと創造性」をテーマにしたゼミを開催する、HIROさんです。ようこそ「Mandala Radio」へ。

HIRO:はじめまして! HIROこと田村裕俊と申します。よろしくお願いします。

Hide:HIROさんのゼミでは、カーボンニュートラル(脱炭素)と創造性をテーマにしていますが、どんな内容を考えているのかご紹介していただけますか?

HIRO:脱炭素はひとりひとりが“新しい発展のチャンス”と思って前向きに取り組まないと、結局うまくいかないんじゃないかなと感じているんですね。そして、創造性という観点で(脱炭素は)ビッグチャレンジだと思っているんです。つまり、「カーボンニュートラルと創造性」とは「脱炭素をひとりひとりがチャンスに変える創造性」を意味しています。

Misa:世界的な取り決めとして「脱炭素社会を目指しましょう」という話があるんですけども、日本は今かなり遅れている状況なんでしょうか?

HIRO:そうですね。脱炭素関連でインパクトの大きいところですと「発電における再生可能エネルギー比率(以下、再エネ比率)」という、太陽光、風力、地熱、バイオマス、水力発電などの発電量の割合がどれくらいかを示す指標があるんですね。

日本の2019年の再エネ比率は18パーセントでした。カナダ、スウェーデン、デンマークといった国々が再エネ比率が高い国なんですけども、70パーセント前後となっています。

Hide:全然違いますね。

HIRO:ざっと3倍以上の開きがあります。そして、中国やインドのほうが日本よりも再エネ比率は高いという現状があります。正直な話、他国との差がなかなか縮まらない見通しとなっています。

Hide:なるほど。ゼミのなかではどんな活動をしようとしているんですか?

HIRO:普通に暮らす人という観点を持ちながら、「“働く人”である自分は、再エネ比率目標に対してどんなインパクトを生み出せるのか」ということを、みんなで知恵を出し合っていきたいと思っています。

大事なのは、ただブレーキを踏もうってことじゃなくて、「CO2排出量を減らす新しい取り組みを産業成長の動力にしていこう」「ビジネスとして回るものにしていこう」という風に考えることだと思っています。そういう意味で、このゼミのサブタイトルを「脱炭素による経済発展を自分の仕事にしてみよう」にしました。

Hide:わかりやすいサブタイトルですね。(脱炭素を)ブレーキじゃなくて発展の動力にしようという、前向きさが伝わってきます。

HIRO:ゼミではテック、ビジネス、文化、哲学、海外研究などさまざまな領域でこの課題にチャレンジしている方をゲストにお招きして、その方たちからたくさんのシャワーを一緒に浴びたいなと思っています。「情熱」と「アイディア」と「正気」を大事にしながら楽しくやっていきたいです。

(左から)Hide、MANABUさん、Misa


◆創造性特区とは何か?

Misa:続いては、「創造性特区を作ろう」というテーマのゼミをおこなうMANABUさんです。よろしくお願いします!

Hide:改めて、創造性特区ってどういうイメージなのか教えてください。

MANABU:創造性特区をGoogle検索してみたんですけども、UoCのページしか出てきませんでしたので、おそらくUoCが唯一言っている言葉だと思います。特区は、元々あるルール(法律)みたいなものを「そのエリアに関しては変えましょう」というのが一般的な認識だと思います。

何のためにルールを変えるのかというと、そのエリアの創造性を増やすためなんですよ。何ならルールをなくしちゃう、みたいなことを考えるのが「創造性特区を作ろう」です。

Hide:いくつかの自治体と一緒に、創造性特区に関する実験や調査をされているとお聞きしました。そちらも詳しく教えていただけますか?

MANABU:約1,700ぐらいある自治体のなかから、千葉県君津市、大分県津久見市、埼玉県秩父郡横瀬町の3つと一緒に研究をしています。創造性と自治体はなぜ繋がるのかと言いますと、理由は2つあります。

1つは、「創造性を生み出すためには環境が重要」だと思ったからです。環境を考えたときに、都市、国、世界といった“雰囲気”が相当影響しているなと思ったんですね。たとえばUoCという組織のなかで「創造的でいようよ」と言っても、日本のルールで押さえつけられている部分ってなんとなくあると思うんですよ。

Misa:うんうん。

MANABU:組織内の創造性はもちろん重要なんですけど、“社会全体の創造性”っていうのを考えるのも大事なのかなと思いました。一番身近でルールを決められる場所がどこかと考えたときに、自治体だなと思ったんです。それが1つ目の理由です。

2つ目は「波及」です。街並みを作る上で景観条例というものがあるんですけども、京都市だと看板の色が違っていたりしますよね。ああいったものを定める条例です。景観条例は金沢市が1968年に制定したものが最初なんですけど、それって国が決めたわけじゃなくて金沢市が条例を“作った”んですよ。「その条例、いいじゃん」っていう流れが広がって、2005年には景観法という法律になりました。

Misa:おお!

MANABU:自治体政策の波及と呼ばれるものなんですけど、1,700ある自治体のなかで「これ、いいじゃん」という当たりが1個でもあればみんなが真似するんですよ。

Hide:たしかに。いいモデルができればみんなが採用していきますよね。

◆市の政策の改善・改革案をみんなで考えたい

Hide:ゼミの内容をもう少し聞いてもいいですか?

MANABU:「創造性と社会の関係性」というものを、1期では計画して形にして振り返ったんですね。実は、1期から2期開催までのあいだに、自治体で「これまでなかったものを生み出していそうな人」にインタビューをしたんですね。

ゼミで生まれたアイデアが合うのかどうかを検証していきました。その結果、世に出せそうなものが一応できたので3月の後半ぐらいに出す予定なんですけど、その考えをベースにして、実際の市の政策に関して話し合いをしたいんですよ。

2期のゼミでは、創造性を増やす方法をベースにした上で「この政策ってどう変えたらいいと思う?」「政策をどう運用したらいいと思う?」みたいなことをみんなで考えたいです。考えをまとめたものを市に提案する予定ですが、もちろんそれが採用されるとは限らないです。だけどもし採用されたら、1年後とか2年後とかに「改善・改革した政策で創造性は増えたのか」を検証したいです。

まとめますと、第1期でやっていた「創造性をどうやってマネジメントできるのか」をベースに、実際にある市の政策を改善・改革してみるというのを2期ではやる予定です。

Hide:なるほどね。

次回2月16日(水)のゲストは、ダンサーの田中泯(たなか・みん)さんです。お楽しみに!

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/program/show/100000316と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください!

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聴取期限 2022年2月17日(木)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/mandala