酸攻撃を受ける前のバーフィンさん(画像は『New York Post 2021年12月24日付「My enraged boyfriend threw acid in my face ― but I still married him」(Newsflash)』のスクリーンショット)

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トルコに住む20歳の女性が、2年前に顔に酸をかけられた元カレと今月初めに結婚していたことが明らかになった。女性は肉体的、精神的にかなりの苦痛を味わってきたにもかかわらず、釈放した男からのプロポーズを受け入れたのだった。『New York Post』などが伝え、物議を醸している。

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トルコに住むバーフィン・オゼックさん(Berfin Ozek、20)は2019年、元カレのカシム・オザン・セルティック(Casim Ozan Celtik、23)によって酸をかけられ、顔や体の一部に火傷を負い、片目の視力の70%を失った。

カシムはバーフィンさんから別れを切り出されて逆上し、「俺がおまえと付き合うことができないのなら、誰もできないぞ」と言って犯行に及び、バーフィンさんが警察に通報したことで逮捕された。

この攻撃で顔が変貌、想像を絶するような痛みと闘っていたバーフィンさんだが、カシムは謝罪し「愛している」「どうか赦して欲しい」と次々とメールを送り付け、バーフィンさんは一度は告訴を取り下げた。

当時バーフィンさんは「カシムと私は何度も手紙をやり取りし、私は自分をカシムに捧げることにしました。私は彼を愛していますし、彼も私のことをとても愛してくれています」と説明、しかしカシムはSNSでこき下ろされ、バーフィンさんは「私が間違っていた」と告訴取り下げを撤回した。

カシムはハタイ県イスケンデルン地区の裁判所で懲役13年半の有罪判決を受けて刑に服していたが、コロナ禍で法律が変わり、保護観察処分が適用されて釈放された。

弁護士のラマザン・エルドアン氏(Ramazan Erdogan)によると、カシムの釈放は一時的なものだそうでこのように説明した。

「カシムの収監期間を考えると、警備が厳しい閉鎖型刑務所での刑期を終えた後、開放刑務所へ移動する資格がありました。ただ今回カシムが釈放できたのはパンデミックのためで、受刑者は2022年5月31日までの間、開放刑務所から一時的に出所することができるのです。」

こうして自由の身になったカシムは、何よりも先にバーフィンさんにプロポーズ、受け入れられると2人は今月初めに結婚したのだった。

ところがバーフィンさんの家族は結婚について何も知らされておらず、父ヤシャルさん(Yasar)は「娘のためにずっと闘ってきたのに、これで全てが無駄になってしまった」と憤りを隠せない。

さらに2人の結婚を知った世間の反応はかなり厳しいもので、次のようなコメントがあがった。

「もしこの世の中で最も愚かな人間は誰かと聞かれたら、この女性だと言いたい。次は生きたまま皮膚を引き剥がされるのでは?」
「この結婚は1、2か月で終わるだろうね。ここまで残忍なことをされて、それでもまだ一緒にいたいの?」
「なぜ懲役13年半? パンデミックで釈放? こんな卑劣な犯罪に対する刑は重くすべき。」
「信じ難いニュース。言葉がない。」
「女性の安全を祈っているよ。」
「これは愛ではない。トラウマで繋がっているだけ。」
「こんなにされてなぜ赦せるのか。」
「彼女は『自分を愛してくれる人は誰もいないのでは?』と思っているのでは?」
「悪魔と結婚したんだよ。家族の落胆ぶりが目に見えるよ。」

ちなみにインドで2009年、15歳の時に酸攻撃を受けて身体の80%に熱傷を負った女性は今年、ありのままを愛してくれる男性と出会って結婚した。現在は酸攻撃を受けた人たちのサポートを行うNGO団体のリハビリ施設で働いており、酸攻撃について「生きたまま焼かれたような苦しみ」と語っていた。

画像は『New York Post 2021年12月24日付「My enraged boyfriend threw acid in my face ― but I still married him」(Newsflash)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)