マンチェスター・シティのこれぞポジショナルプレーの極み。いとも簡単にゴールが決まる仕組み
Question
ベルナルド・シウバが中央でパスを受けたあと、マンチェスター・シティはどのように崩したか?
マンチェスター・シティの勢いが止まらない。プレミアリーグ第18節、アウェーのニューカッスル戦を4−0の快勝でリーグ連勝を8試合に伸ばし、2位リバプールとの勝ち点差も3ポイントに広げた。
前節リーズ戦で7−0というスコアで大勝して話題となったが、今節もアウェーながら圧倒的な攻撃力でニューカッスルを寄せつけなかった。
さらに攻撃だけでなく守備でも、ここまで18試合で9失点の驚異的な数字を残し、攻守に隙がなく、手がつけられない状態だ。
今回は、そのニューカッスル戦の3点目をピックアップする。
ベルナルド・シウバが前向きでボールを持った時、左サイドの2人はどのように動いたか
後半19分、ベルナルド・シウバが中盤の中央でロドリからパスを受け、相手のプレッシャーを受けながらも巧みに反転して前を向いた。
相手のライアン・フレイザーとミゲル・アルミロンが、ベルナルド・シウバに寄せていく。これに対して、左サイドのオレクサンドル・ジンチェンコとラヒーム・スターリングはどのように動いて相手を崩したか、というのがQuestionである。
Answer
ジンチェンコがハーフスペースでパスを受け、クロスからマフレズにアシスト
マンチェスター・シティの、巧みなポジショナルプレーが凝縮された得点シーンだった。
ジンチェンコがハーフスペースでパスを受け、クロスを入れてゴールを決めた
まずは左サイドバック(SB)のジンチェンコが、ハーフスペース(サイドと中央の間)に入ってベルナルド・シウバからパスを受けた場面。対面するジェイコブ・マーフィーは、左タッチライン際にスターリングがいるために数的不利になり、寄せることができなかった。もしジンチェンコに寄せれば、シティはスターリングにパスを出し、簡単にサイドをえぐっていただろう。
さらに中央に目を向けると、センターバックのキアラン・クラークに対して、ガブリエル・ジェズスとリヤド・マフレズが挟み込むようにポジションを取って、数的優位を作っていた。SBのマット・リッチーは対面するジョアン・カンセロが高い位置を取っていたため、中央に絞りきれなかった。
そして、マーフィーが寄せられないことでフリーの状態でボールを持ったジンチェンコは、同じくファーサイドでフリーとなったマフレズへピンポイントクロス。マフレズがダイレクトで押し込んで3点目となった。
シティはジンチェンコにボールが渡った時点で前線の至るところで位置的優位を作り、ニューカッスルは手も足も出ない状況となっていた。クロスとフィニッシュの精度はもちろんすばらしいが、見事にデザインされたポジショナルプレーの極みのような鮮やかなゴールだった。