顔や首元の気になる黒いポツポツの正体。じつは加齢が原因のイボかも?
気がつくと現れている、顔や首元のホクロにも似た小さな皮膚の盛り上がり。もしかしたらそれはホクロではなく、加齢が原因とされる「加齢イボ」かもしれません。痛みやかゆみもなく日常生活に支障はありませんが、ポツポツと隆起しているためファンデーションで隠れにくく、部位によっては老けた印象を与えてしまうことも…。
気づかぬうちに出る黒いポツポツの正体とは…?(※画像はイメージです。以下同)
今回はこの厄介な加齢イボについて、赤坂プレミアクリニック院長の石井博泰先生にお伺いしました。
加齢イボの中には皮膚が黒褐色に小さく盛り上がる症状があり、シミと混在してホクロと見分けがつきにくいケースも多くあります。これらは顔だけでなく、首やデコルテ・背中など、全身どこにでも発症する加齢による皮膚疾患のひとつです。
ーー中高年の方に多く見られる、首すじやデコルテに広がる小さな黒褐色のポツポツ。盛り上がったシミのようにも見えますが、これはホクロではないのでしょうか?
「医学的には脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)といい、一般的には老人性イボや年寄りイボと呼ばれる良性腫瘍のひとつです。発症する部位は全身ですが、とくに紫外線の当たりやすい顔や首などに多く現れます。ホクロのようにひとつポツっと現れるタイプと広範囲に現れる多発タイプがあり、初めは茶〜黒褐色のシミ状となります。しかし加齢とともに盛り上がり、数も増えてくるので不安に思う方も多い皮膚疾患の一種ですね」
ーー加齢による皮膚トラブルはシミやシワだけではないのですね。加齢イボとシミやホクロとの違いはありますか?
「加齢イボの初期の状態はシミやホクロと見分けがつきにくいかもしれません。しかし年々イボが盛り上がる、大きくなる、また表面にザラつきが見られた場合は加齢イボの可能性があります。老人性の皮膚疾患といわれており、30代から多く見られる疾患ですが、若い頃に野外スポーツなどで紫外線を多く浴びていた場合、20代からでも発症するため注意が必要です」
※上記はあくまで一般的な加齢イボの特徴です。自己診断をせず皮膚科へご相談ください。
ーー最近、通信販売などで数千円で購入できる海外製のホクロ除去美顔器がありますが、皮膚への悪影響はないのでしょうか?
「シミやホクロの中にはまれに悪性のものがあり、イボの場合はウイルス性である可能性もあります。皮膚に異常を見つけた際は必ず皮膚科等で診察を受けましょう。最近は通信販売や個人輸入などで海外製のホクロ除去美顔器も手軽に購入できますが、薬機法上、医療機器以外でシミやホクロ、イボを除去することはできません。ヤケドや色素沈着など思わぬ皮膚トラブルを招くこともあるので、まずは医師にご相談ください」
ーー良性だけど審美的に難ありな加齢イボ。多発タイプの場合、その治療費が心配です。また加齢イボにはどのような治療法があるのでしょうか。
「加齢イボ(脂漏性角化症)は保険診療が適用となりますのでご安心ください。なお保険診療による加齢イボの治療法は、液体窒素による冷凍凝固治療です。マイナス196℃の液体窒素を加齢イボにあてて、細胞を破壊するため、部位によっては痛みを強く感じることもあります。治療後は1〜2日ほど痛みや赤みが残りますので、イベントなど大切な用事の前日の治療は避けてください」
「加齢イボは良性なので本人が気にならないのであれば、無理に除去治療をおこなう必要はありません。しかし審美面以外に顔剃りなどで加齢イボがカミソリの刃に引っかかるなど問題があるようでしたら、治療を検討してもよいでしょう」
ーー忙しくて皮膚科に通う時間がない、もしくは除去治療に抵抗がある場合、ドラッグストアで購入できる、塗り薬や飲み薬などは加齢イボに効果あるのでしょうか。
「イボ治療をうたう市販の塗り薬の多くはサリチル酸が配合されています。硬くなった角質をやわらげ、穏やかにはがすことで皮膚代謝を促進し、早期治療を目指す薬です。飲み薬はヨクイニンと呼ばれる生薬によるもの。どちらも効果ゼロとは言いきれませんが、加齢イボを市販薬で完治させることは難しいといえます」
「残念ですが加齢イボの自然治癒はなく、除去後も再発の可能性が高い皮膚疾患です。しかし加齢イボが小さなうちに、適切な治療をおこなうことで、除去後の色素沈着なども最小限に抑えられるでしょう。肌に黒褐色のポツポツが現れた際は、早めの診察を受けてください」
加齢イボだけに限らず、肌に異変を感じた際は早めに皮膚科で診察を受けることが大切です。また審美性を重視する場合は、保険治療だけでなく美容皮膚科での治療を検討してみてはいかがでしょうか? 治療後も紫外線対策を心がけ、いつまでも健康的な若々しい肌を目指しましょう!
※赤坂プレミアクリニックは現在、保険診療をおこなっておりません。
<取材・文/城戸香>
●教えてくれた人
赤坂プレミアクリニック
院長・医学博士・日本整形外科学会脊椎脊髄病医・日本整形外科学会スポーツ医学認定医・日本美容外科学会会員。脊椎外科医としての豊富な知識と高い技術力を美容医療に応用し、患者への負担と無駄のない治療を目指す。
気づかぬうちに出る黒いポツポツの正体とは…?(※画像はイメージです。以下同)
加齢イボの発症は30代から!アラフォー世代に突入したら要注意
加齢イボの中には皮膚が黒褐色に小さく盛り上がる症状があり、シミと混在してホクロと見分けがつきにくいケースも多くあります。これらは顔だけでなく、首やデコルテ・背中など、全身どこにでも発症する加齢による皮膚疾患のひとつです。
●顔と首すじからデコルテに広がる黒いポツポツの正体とは?
ーー中高年の方に多く見られる、首すじやデコルテに広がる小さな黒褐色のポツポツ。盛り上がったシミのようにも見えますが、これはホクロではないのでしょうか?
「医学的には脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)といい、一般的には老人性イボや年寄りイボと呼ばれる良性腫瘍のひとつです。発症する部位は全身ですが、とくに紫外線の当たりやすい顔や首などに多く現れます。ホクロのようにひとつポツっと現れるタイプと広範囲に現れる多発タイプがあり、初めは茶〜黒褐色のシミ状となります。しかし加齢とともに盛り上がり、数も増えてくるので不安に思う方も多い皮膚疾患の一種ですね」
ーー加齢による皮膚トラブルはシミやシワだけではないのですね。加齢イボとシミやホクロとの違いはありますか?
「加齢イボの初期の状態はシミやホクロと見分けがつきにくいかもしれません。しかし年々イボが盛り上がる、大きくなる、また表面にザラつきが見られた場合は加齢イボの可能性があります。老人性の皮膚疾患といわれており、30代から多く見られる疾患ですが、若い頃に野外スポーツなどで紫外線を多く浴びていた場合、20代からでも発症するため注意が必要です」
〈加齢イボの特徴〉
・手のひら、足の裏を除く体のあらゆる部位に発症
・薄茶〜黒褐色
・単発タイプ(ホクロのようにひとつだけ発症)と多発タイプがある(首全体に細かくイボが広がる状態など)
・紫外線のあたりやすい頭・顔・首・胸元にできやすい
・加齢とともに大きくなり隆起する
・表面がザラザラしている
・多くは良性腫瘍
・手のひら、足の裏を除く体のあらゆる部位に発症
・薄茶〜黒褐色
・単発タイプ(ホクロのようにひとつだけ発症)と多発タイプがある(首全体に細かくイボが広がる状態など)
・紫外線のあたりやすい頭・顔・首・胸元にできやすい
・加齢とともに大きくなり隆起する
・表面がザラザラしている
・多くは良性腫瘍
※上記はあくまで一般的な加齢イボの特徴です。自己診断をせず皮膚科へご相談ください。
●海外製のホクロ除去美顔器でのセルフ施術は危険がいっぱい!
ーー最近、通信販売などで数千円で購入できる海外製のホクロ除去美顔器がありますが、皮膚への悪影響はないのでしょうか?
「シミやホクロの中にはまれに悪性のものがあり、イボの場合はウイルス性である可能性もあります。皮膚に異常を見つけた際は必ず皮膚科等で診察を受けましょう。最近は通信販売や個人輸入などで海外製のホクロ除去美顔器も手軽に購入できますが、薬機法上、医療機器以外でシミやホクロ、イボを除去することはできません。ヤケドや色素沈着など思わぬ皮膚トラブルを招くこともあるので、まずは医師にご相談ください」
●保険診療も可能な加齢イボの治療法とは?
ーー良性だけど審美的に難ありな加齢イボ。多発タイプの場合、その治療費が心配です。また加齢イボにはどのような治療法があるのでしょうか。
「加齢イボ(脂漏性角化症)は保険診療が適用となりますのでご安心ください。なお保険診療による加齢イボの治療法は、液体窒素による冷凍凝固治療です。マイナス196℃の液体窒素を加齢イボにあてて、細胞を破壊するため、部位によっては痛みを強く感じることもあります。治療後は1〜2日ほど痛みや赤みが残りますので、イベントなど大切な用事の前日の治療は避けてください」
「加齢イボは良性なので本人が気にならないのであれば、無理に除去治療をおこなう必要はありません。しかし審美面以外に顔剃りなどで加齢イボがカミソリの刃に引っかかるなど問題があるようでしたら、治療を検討してもよいでしょう」
●加齢イボに効果がある市販薬はあるの?
ーー忙しくて皮膚科に通う時間がない、もしくは除去治療に抵抗がある場合、ドラッグストアで購入できる、塗り薬や飲み薬などは加齢イボに効果あるのでしょうか。
「イボ治療をうたう市販の塗り薬の多くはサリチル酸が配合されています。硬くなった角質をやわらげ、穏やかにはがすことで皮膚代謝を促進し、早期治療を目指す薬です。飲み薬はヨクイニンと呼ばれる生薬によるもの。どちらも効果ゼロとは言いきれませんが、加齢イボを市販薬で完治させることは難しいといえます」
「残念ですが加齢イボの自然治癒はなく、除去後も再発の可能性が高い皮膚疾患です。しかし加齢イボが小さなうちに、適切な治療をおこなうことで、除去後の色素沈着なども最小限に抑えられるでしょう。肌に黒褐色のポツポツが現れた際は、早めの診察を受けてください」
●保険治療だけでなく美容皮膚科での治療も
加齢イボだけに限らず、肌に異変を感じた際は早めに皮膚科で診察を受けることが大切です。また審美性を重視する場合は、保険治療だけでなく美容皮膚科での治療を検討してみてはいかがでしょうか? 治療後も紫外線対策を心がけ、いつまでも健康的な若々しい肌を目指しましょう!
※赤坂プレミアクリニックは現在、保険診療をおこなっておりません。
<取材・文/城戸香>
●教えてくれた人
【石井博泰先生】
赤坂プレミアクリニック
院長・医学博士・日本整形外科学会脊椎脊髄病医・日本整形外科学会スポーツ医学認定医・日本美容外科学会会員。脊椎外科医としての豊富な知識と高い技術力を美容医療に応用し、患者への負担と無駄のない治療を目指す。