2020年の半導体市場は、コロナ禍でリモートワークやリモート学習の増加が後押しし、前年比10.4%増と好調だったという。特にメモリが好調で、売上高全体の26.7%を占めていたほどだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 2020年の半導体市場は、コロナ禍でリモートワークやリモート学習の増加が後押しし、前年比10.4%増と好調だったという。特にメモリが好調で、売上高全体の26.7%を占めていたほどだ。

 半導体チップにおいて、日本はトップ争いから外れているが、中国メディアのOFweek電子工程網はこのほど、「半導体分野で激しい競争を繰り広げているのは米中韓だが、最大の勝者は日本だ」との見方を示す記事を掲載した。

 記事はまず、日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した半導体及びフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測によると、2021年の日本の半導体設備の売上は前年比22.5%増となり、この先3年もプラス成長が見込まれると紹介した。FPD製造装置もこの先3年はプラス成長する見込みだという。

 そのうえで記事は、日本のこうした成長は「米中韓の競争があってこそ」だと分析した。例えば、ディスプレイの分野で中韓は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで争ってきたが、いずれも日本の製造装置に依存しており、日本が最も恩恵を受けたとしている。

 半導体も同様で、日本は半導体材料と製造装置で多くのシェアを握っていると指摘した。2020年の半導体装置メーカー売上高ランキングで、日本は上位10位に東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREEN、日立ハイテクノロジーズの4社がランクインしていたほどだ。また、近年では需要が急増しているので価格も上がっており、日本の半導体製造装置はコロナ禍を背景に、利益を伸ばしていると伝えている。

 半導体や完成品の分野では日本メーカーの姿を見ることが少なくなったが、一般消費者には見えない製造装置や材料の分野で日本メーカーは存在感を見せている。コロナ禍にあってこれらのメーカーは引き続き「最大の勝者」となりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)