コロナ禍で宿泊、飲食、冠婚葬祭、すべての分野で客足が激減していた

 (株)マリアージュ仙水(TDB企業コード:240214858、資本金3000万円、栃木県佐野市奈良渕町316、代表早川一彦氏)は7月30日までに事業を停止し、事後処理を小沼洸一郎弁護士(栃木県足利市通2-2738、小沼洸一郎法律事務所、電話0284-21-5674)に一任し、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1977年(昭和52年)1月創業、81年(昭和56年)9月法人改組のホテル経営業者。「ホテルマリアージュ仙水」の名前で佐野市街北部エリアに立地し、最盛期の98年8月期には年売上高約9億円を計上していた。宿泊のほかレストラン「フォンテーヌ」による飲食サービス、ケータリングサービス、さらには運営受託を受けて「JAセレモニーホール佐野東」ほか2拠点の葬祭場の運営など、多岐にわたるサービスを展開。教会ウエディングハウスを有し2020年までは結婚式場の機能も併営していた。

 しかし、当地業界内での競合は熾烈で、競争力を高めるために大型の設備投資を実行したものの、それに見合った収入は得られず不採算が続き、2010年には栃木県中小企業再生支援協議会の再生対象企業として事業再生の道を歩むこととなった。ところが、今回のコロナ禍の影響は大きく、宿泊、飲食、冠婚葬祭、すべての分野で集客量は激減し、2020年8月期の年売上高は約1億7800万円まで落ち込み、大幅な債務超過を余儀なくされた。7月30日には事業の存続を断念し今回の事態となった。

 負債は2020年8月期末時点で約10億1200万円。