【見せしめ?】なぜ超高級車をスクラップに!? マクラーレンやポルシェなど比政府が次々と破壊した訳とは

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破壊したクルマの総額は約1億3200万円!フィリピンの関税局が実施

 フィリピンの関税局「The Bureau of Customs」(以下BOC)は、マニラとカガヤン・デ・オロで密輸入された21台のクルマを破壊したことを、2021年6月18日に公表しました。

フィリピン政府が破壊した350台限定生産のマクラーレン「620R」(photo:The Bureau of Customs)

 BOCが、今回破壊した21台のクルマは2018年から2020年に異なる荷主によって国内に輸入され、別々の機会に押収されたものです。

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 この見せしめとも呼べるクルマの破壊行為は、ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ大統領が、「政府が密輸に対して真剣に取り組んでいる」という強いメッセージを示すために、密輸されたクルマを破壊する必要性を改めて表明した大統領指令2017-447に則ったものです。

 破壊されたクルマは、マクラーレン「620R」、ヒュンダイ「ジェネシス」、ベントレー「フライングスパー」、ポルシェ「911」、メルセデス・ベンツ「SLK」、ロータス「エキシージ」などの高級車をはじめ、トヨタ「ソラーラ」や三菱「73式小型トラック」といった日本車の姿も見られ、破壊したクルマの総額は5855万ペソ(約1億3200万円)になります。

 なかでも620Rは350台のみ限定生産されたクルマで、日本では3700万円を超える金額がつけられているほか、73式小型トラックは、三菱「パジェロ」をベースとした自衛隊の車両と見られます。

 今回の破壊行為には、財務省の代表者や関税局長官のレイ・レオナルド・B・ゲレロ氏を含む税関局の主要職員が参加。なかでもゲレロ長官は以下のようにコメントしています。

「このような不正行為はきっぱりと止めなければなりません。

 また、合法的なオークション手続きを装って、密輸入車を密輸業者に戻すことも止めなければなりません。

 そうすることで初めて、合法的で責任ある企業にとって公平な競争の場が得られるのです」

 2021年2月9日にも、BOCは17台のクルマを破壊しており、密輸入車の摘発は今年2回目となります。