中国では以前に「手抜き工事」が大きな社会問題となったことがある。現在はあまり注目が集まらなくなったとはいえ、中国で手抜き工事がなくなったわけではない。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国では以前に「手抜き工事」が大きな社会問題となったことがある。現在はあまり注目が集まらなくなったとはいえ、中国で手抜き工事がなくなったわけではない。「多くの命が手抜き工事で犠牲になったにもかかわらず、それでもなぜ手抜き工事は絶えないのか」といった批判の声は今なお存在する。

 中国の行政当局の管理・監督レベルの低さが手抜き工事の氾濫を生み出しているという見方もあるなかで、中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、日本で働く中国人による動画を配信し、日本の建築検査は「本当に隙がない」と紹介した。「日本で手抜き工事なんて絶対にできるわけがない」と説明している。

 この中国人配信者は、日本で「中国のような手抜き工事が頻発しない」理由について、「厳格な監督システム」が存在しているためだと指摘し、日本では「建築材料」からして厳しいチェックが行われているとし、建材は自分で勝手に作って使うことはできず、「材料検査」に合格したものを使うことが求められていると指摘した。

 さらに、建築物を建てる際には行政や民間の検査機関の審査や検査を受ける必要があることを紹介したうえで、特に民間企業による検査は行政よりもはるかに厳しいと指摘。それは民間の検査機関は「自分たちの検査に抜かりがあった場合、検査機関としての信用を損なうことを理解しているためだ」と説明した。

 また動画では、日本で手抜き工事をすると巨額の罰金などの行政罰が科せられる可能性があり、さらには社会的信用の喪失によって取り引き先をすべて失い破産する可能性すらあると強調。中国には「手抜き工事で大儲けできるなら、数年だけ刑務所で暮らすぐらい構わない」と考える人もいると紹介する一方、日本には手抜き工事をしたくてもできないような隙のない仕組みと、厳しい罰則が存在していると指摘し、こうした仕組みが存在するゆえに日本では中国のように手抜き工事が頻発することがないのだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)