新型コロナウイルスのパンデミックに伴って遠隔授業の体制を整えることが急務となっており、各国の政府は家庭へデバイスを配布するなどの対応を行っています。そんな中、イギリス政府が子どもたちに配布した教育用ノートPCから、ロシアのサーバーと接続しているとみられるマルウェアが発見されたと報じられています。

Malware reportedly found on laptops given to children in England | Schools | The Guardian

https://www.theguardian.com/education/2021/jan/21/malware-reportedly-found-laptops-children-england

Russia-linked spyware found on school laptops given to children by government | The Independent

https://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/russia-spyware-school-laptops-b1790759.html

イギリスの教育省は自宅からオンライン授業にアクセスするのが難しい子どもたちをサポートするため、「Get Help With Technology」というプログラムの一環として学校にノートPCを配布してきました。このプログラムでは130万人の子どもにノートPCを供給すると約束しており、これまでに80万台以上のノートPCを学校に送ったとのこと。

ところが、イングランド北部・ブラッドフォードにある学校に届いたノートPCから、ロシアのサーバーに接続しているとみられるマルウェアが見つかったことが、学校関係者の報告で明らかになりました。ある教師はノートPCから発見された疑わしいファイルをオンラインフォーラムで共有しており、「箱から出して準備すると、多くのノートPCが自己増殖型のワームに感染していることがわかりました」と述べています。

オンラインフォーラムで共有された内容によると、発見されたマルウェアは2012年にMicrosoftによって特定された「Gamarue.1」という自己増殖型ワームであり、PCの権限を乗っ取ってブラウザの設定を変更したり、悪意のあるスパイウェアを無許可でインストールしたりするとのこと。ある情報源によると、送られてきたノートPCのうち10〜20%が最初からマルウェアに感染していたそうです。

教育省もこの問題を認識しており、ITチームが問題を報告した学校と連絡を取っています。教育省の広報担当者によると、ノートPCにマルウェアがインストールされていたと報告した学校は10未満であり、マルウェアの感染はそれほど広がっていないと考えているとのこと。また、全てのノートPCにはウイルス対策ソフトがインストールされており、ウイルスはセットアップ時点で検出・排除されたそうです。

広報担当者は、「私たちはオンラインの安全とセキュリティを非常に真剣に受け止めており、さらなるマルウェアの報告を監視し続けます。懸念がある全ての学校は教育省に連絡する必要があります」と述べました。

消費者のセキュリティ調査を行うComparitechのセキュリティ専門家であるBrian Higgins氏は、問題があるノートPCを提携業者から購入したのか、あるいは寄付されたのかにかかわらず、デバイスを調達する人々は悪意のあるソフトウェアがインストールされているリスクを認識するべきだと指摘。実際に配布を行う前に、適切な方法で調査を行うことが必要だと主張しています。

また、野党の政策立案機関である影の内閣で教育相を務めるケイト・グリーン氏は、「これは信じられないことです。ギャビン・ウィリアムソン教育相は子どもたちの学習を維持するための信頼できる計画を考え出すのでしょうか?それとも単にロシアのサーバーに黙って立ち去るように伝えるのでしょうか?」とコメントしました。