(C) 佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

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 実在した男をモデルに描く問題作『すばらしき世界』(2021年2月11日公開)の予告編が公開された。主演の役所広司をはじめ、共演の仲野太賀、長澤まさみらキャストの熱演に圧倒される。

 第56回シカゴ国際映画祭で観客賞と役所の最優秀演技賞という2冠に輝いた本作は、直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」(講談社文庫刊)を原案にした、『ゆれる』『ディア・ドクター』などの西川美和監督最新作。舞台を約35年後の現代に置き換えて、徹底した取材を通じて西川監督が脚本・映画化に挑んだ。生きづらい社会の中で、人生のレールを踏み外しても懸命にやり直そうとする男の出所後の日々を描く。

 役所が演じるのは、優しくて真っ直ぐな性格だが、実は人生の大半を刑務所で過ごした元殺人犯の主人公・三上。彼を追うテレビマン・津乃田に仲野、テレビプロデューサー・吉澤に長澤がふんし、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美ら実力派が共演している。

 三上が出所してくるところから始まる予告編では、「今度ばかりは堅気ぞ」と意気込むも新生活に悪戦苦闘する三上や、テレビ番組のネタにしようと三上に近寄る津乃田と吉澤の姿が。三上、吉澤の怒号など、キャストの熱演に引き込まれる映像となっている。(編集部・小松芙未)