日産が「AからZ」の新型車を続々投入! 「Z」や「ノート」など注目車が目白押し

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「NISSAN NEXT: From A to Z」12車種が新登場!

 日産が2020年5月28日に開催した2019年度の決算報告では、2023年度までの4か年計画が発表されました。

 そのなかで、持続的な成長と安定的な収益確保を目的として「最適化」と「選択と集中」をおこなうことが明らかになりましたが、そのなかで「今後18か月で12の新型車を投入する」という宣言があったのです。

日産は18か月で12車種の新型車を投入

【画像】新型Zやノートに期待! 日産が投入する「AからZ」の12の新型車(41枚)

 同日に公開された動画「NISSAN NEXT: From A to Z」では、そのときから18か月以内、つまり2021年11月までに投入される新型車のシルエットがAからZの順に映し出されていました。

 12車種の新型車のうち、すでにいくつかのモデルが公開されています。公開されたモデルと、これから発表されるモデルには、どのような新型車があるのでしょうか。

A:アリア(2020年7月15日公開/日本発売予定)

「リーフ」に続く電気自動車(EV)として投入される予定のアリアですが、いま流行りのSUVとして登場します。

 外観は、エンジンルームの冷却が不要なEVの特徴を活かし、フロントグリルにあたる部分は日本の伝統的な組子パターンが立体的にデザインされたシールド(パネル)が組み込まれています。

 内装は、ダッシュボードにスイッチはなく、クルマの電源を入れることでアイコンが浮かびあがります。スイッチは運転中でも操作感が伝わるように振動するハプティクススイッチが採用されました。

 駆動方式は2WDと「e-4ORCE」と呼ばれるAWDで、それぞれ65kWhバッテリーと90kWhバッテリーを搭載。

 もっとも航続距離の長い2WDの90kWhバッテリー搭載モデルでは、最大610km(WLTCモード、社内測定値)を実現しており、長距離移動でも余裕のあるドライブが可能ということです。

 ユーザーの実質購入価格は約500万円からを見込んでおり、日本での発売は2021年中頃を予定しています。

A:アルマダ(未公開/日本未発売)

 アルマダは、北米で販売されている3列シートの大型SUVです。現行の2代目モデルは、中東で販売されている「パトロール」をベースに開発されました。

 ボディサイズは、全長約5306mm×全幅約2029mm×全高約1925mmという大型SUVで、最低地上高は230mmを誇ります。

 外観デザインは、日産デザインコンセプトの「Vモーショングリル」にLEDロービームヘッドライトとLEDデイタイムランニングライトを備えたアグレッシブなフロントマスクです。

 パワートレインは、5.6リッターV型8気筒エンジンと7速ATを組み合わせて最高出力390馬力を発揮。

 オールモード4輪駆動システムを備えており、Auto/4H/4LOモードを任意に切り替えられます。

F:フロンティア(2020年11月5日公開/日本未発売)

 ピックアップトラックのフロンティアは、「ナバラ」と同一車種。地域によって名称が異なり、メキシコおよび南米ではフロンティア、タイなどではナバラとして販売されます(詳細は後述)。

K:キックス(2020年6月30日国内発売)

 キックスは、世界各国で販売されているコンパクトSUVです。大型のダブルVモーショングリルや先進的なLEDヘッドランプで、存在感のあるデザインとしました。

 パワートレインは、1.2リッター直列3気筒エンジンに「e-POWER」を組み合わせたシリーズハイブリッド方式ですが、e-POWERの最大出力を約20%向上。

 バッテリーやモーターなどの制御を磨き上げ、レスポンスが良く力強い走りを可能としています。駆動方式は2WDのみです。

 また、日本だけの仕様として、「プロパイロット」や「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」が標準装備されています。

M:マグナイト(2020年10月21日公開/日本未発売)

 新型マグナイトは、インドのユーザーへ向けた、全長4mを切るコンパクトSUVです。日産としては最小のSUVとなります。

 外観は八角形の力強い印象の大型グリルを装着。日産の新しいブランドロゴがグリル中央に配置され、SUVらしさを際立たせるデザインとしました。

 内装は運転席と助手席の空間が広く、ゆったりとした室内空間を実現。後部座席はひとクラス上のクルマに匹敵するような足元のゆとりある空間を確保しました。

 パワートレインは、1リッター自然吸気ガソリン(72馬力)と新開発の1リッターターボエンジン(100馬力)を搭載し、トランスミッションは5速MTとCVTが用意されています。

 インドで2021年初頭に発売され、ほかの地域でも発売が予定されていますが、現時点で日本へ導入される計画はないようです。

N:ノート(未公開/2020年内発表か?)

 人気コンパクトカーであるノートが3代目へとフルモデルチェンジします。

 2012年に登場した現行型の2代目ノートですが、2016年にはe-POWER仕様が追加されました。

 e-POWERを搭載した「ノート e-POWER」の国内販売は、2016年11月の発売から2019年7月までの累計で25万台を達成。ノートを購入したユーザーの7割以上が、e-POWER搭載車を選択しています。

 そして2018年には日産車として初めて暦年の年間販売台数1位を記録する快挙も成し遂げました。

 2020年11月12日に日産は「日本で新型コンパクトカーを年内に発表する」と公表していますが、これは新型ノートを示唆しているのかもしれません。

最大の注目車種はやはり「フェアレディZ」!?

N:ナバラ(2020年11月5日公開/日本未発売)

 ピックアップトラックの「ナバラ」の新型モデルが登場。フロンティアと同一モデルで、地域によって名称が異なります。

 新型ナバラは「頑丈」をデザインテーマとし、インターロッキングデザインのグリルや力強い印象のC字型ヘッドランプなど、過酷な環境下での使用を想定した無骨でワイルドな外観になりました。

日産新型「ナバラ」

 新型ナバラには「ニッサン インテリジェント モビリティ」技術として、「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や「インテリジェント FCW」、「インテリジェント アラウンドビューモニター」を搭載しています。

 ボディでは、リアアクスルの強化や荷台スペースを拡大し積載可能重量を向上。また、リアバンパーにステップを新設することで、荷台への乗降性が向上しました。

 フレームとボディの接合部を変更して剛性がアップするとともに、サスペンションの設定変更で車室内の振動の低減や静粛性が上がり、静かで快適な乗り心地を実現しています。

 新型ナバラは2020年12月にタイで販売を開始し、その他市場でも順次販売する予定です。

P:パスファインダー(未公開/日本未発売)

 パスファインダーは、日産が北米をはじめとした海外市場で発売する3列シートSUVです。

 ボディサイズは全長5040mm×全幅1960mm×全高1800mmと、かなり大柄なサイズを誇ります。

 外観は、日産車の共通デザインとなる「Vモーショングリル」を採用。大柄なボディサイズをあまり感じさせない、都会的な洗練された雰囲気が特徴です。

 搭載されるパワートレインは3.5リッターV型6気筒エンジンと2.5リッターハイブリッドを用意(仕向地によって設定差あり)しています。

 駆動方式は、2WDのほかに「インテリジェント4×4」と呼ばれる4WDシステムを採用。路面状況に応じて走行モードを変更することで、効率よく走行することが可能です。

Q:キャシュカイ(2020年11月13日公開/日本未発売)

 キャシュカイは欧州で300万台以上を販売するクロスオーバーSUVで、かつて日本でも販売されていた「ディアリス」の後継車です。

 新型キャシュカイは、都市部の道路でも取り回し性が良く、狭いスペースでも楽に駐車できるサイズでありながら、優れた室内空間を実現しています。

 新型キャシュカイは、最先端の「CMF-C」プラットフォームを欧州で初めて採用。さらに、e-POWERも欧州初搭載となります。

 さらに、安全な運転をアシストする「プロパイロット with ナビリンク」が備わり、高速道路においては、前走車との車間を保ちながら加減速をおこなう追従走行に加え、道路標識を読み取り、制限速度まで減速するシステムも備わります。

 また、ナビゲーションシステムのデータを利用して、急カーブや出口ランプに接近する際に速度を調整することも可能になりました。

 新型キャシュカイは、2021年春に欧州で発表される予定です。

R:ローグ(2020年10月下旬北米発売/日本発売予定)

 ミドルサイズSUV「ローグ」がフルモデルチェンジして、2020年10月下旬に北米で販売されました。

 ローグの兄弟車は日本でも販売されている「エクストレイル」です。

 新型ローグは、フローティングルーフや進化したVモーショングリルなど、日産のデザインを取り入れ、大胆で力強いエクステリアになります。

 インテリアでは家族が快適に過ごせる洗練されたデザインを実現。また、センターコンソール下に収納スペースを確保するなど、使い勝手を向上させています。

 12.3インチのデジタルダッシュボードゲージクラスターや9インチの大型フローティングタッチスクリーンディスプレイなどの先進的なディスプレイにより、さまざまな情報を表示することが可能になりました。

 北米ではパワフルな2.5リッター4気筒エンジンや新開発のビークルモーションコントロール(車両制御技術)を採用することで、ワクワクするドライビングが楽しめるといいます。

 日本ではエクストレイルとして販売される予定ですが、搭載されるエンジンが異なることが予想されます。

T:テラ(未公開/日本未発売)

 本格四駆の「テラ」はタイなどで販売されているフレームSUVで、ピックアップトラック「ナバラ」をベースとした頑丈なボディが特徴です。

 ボディサイズは、全長4885mm×全幅1865mm×全高1835mmと、トヨタ「ランドクルーザープラド」と同等の大きさです。また、最低地上高は225mmと余裕があり、悪路走行も難なくこなします。

 外観デザインは、Vモーショングリルを装着。フレームSUVの力強さを強調する一方、洗練された雰囲気も持ち合わせています。

 テラの室内は広々としており、3列シートを備えた7人乗りです。2列目はワンタッチで前方へ跳ね上がるタンブルシートを採用し、3列目シートへの乗り降りが容易なのも特徴です。

 エンジンは同じ2.3リッターツインターボディーゼルを搭載し190馬力を発揮。クラス最高レベルの加速性能を備えています。

 新型テラの情報はこれから発表される予定ですが、先に新型モデルが発表されたベースのナバラと同じように、より迫力のあるデザインに刷新されることが予想されます。

Z:フェアレディZ(公開済み/日本導入予定)

 2020年9月16日に7代目となる「フェアレディZ(プロトタイプ)」が公開されました。

 外観のデザインは歴代モデルがオマージュされており、初代Z「240ZG」をモチーフとしたヘッドライトや、「Z32」などからインスピレーションを得たテールライトなど、新型でありながらどこかレトロなデザインが採用されています。

 その一方内装は、12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイや大型センターディスプレイなど、先進的なデザインです。

 新デザインのステアリングは、操作性のよいグリップ形状を実現し、最大限引き出すポテンシャルを兼ね備えています。

 新型モデルの排気量は明らかになっていないものの、V型6気筒ツインターボエンジンを搭載することが発表されています。

 また、トランスミッションは、従来モデルに引き続き、6速MTが搭載される予定です。

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 日産は12車種の新型車を投入するほかに、「2023年度までに年間100万台以上の電動化技術搭載車の販売」や「日本では電気自動車2車種とe-POWER搭載車両4車種を追加し、当社の販売の電動化率を60%以上とする」など、新たな目標を掲げています。

 これまでの日産は、新型車の投入が少なく、売れる車種に販売が集中する傾向がありましたが、魅力的な新型車が続々と加されることになりそうです。