印鑑レス時代の準備をする! 押印出社が不要になる無料の電子印鑑作成ツール3本を紹介
コロナ禍にもかかわらず、書類にハンコを押すためだけに出社しなければならない……。
こんな声が発端となって、押印廃止の動きが活発化している。
押印そのものを廃止するのも1つの方法だが、電子印鑑を利用すれば、わざわざ出社しなくても書類にハンコを押すことは可能だ。
ここでは、オリジナルの電子印鑑を作成できる3つのツールを紹介する。
●押印廃止には"電子印鑑"で対応
緊急事態宣言で在宅勤務が推奨されているのに、書類にハンコを押すために出社せざるをえない……。
こうした声をきっかけに、書類の押印をなくす動きが活発になっている。
以前からハンコはペーパーレス化を阻害する要因として批判は多かったが、それが今回のコロナ禍で一気に噴出したカタチだ。
もともと、契約書をはじめとする多くの文書は、押印がなくても問題ないものが多い。
今後は、押印が省略されることが増えると予想されるが、請求書や領収書、稟議書や交通費精算書……等々、まだ多くの文書には押印の欄が用意されているのが一般的だ。
ハンコを押さないで空欄のままにするのも1つの方法だが、オリジナルの電子印鑑を作って貼り付けるのもアリだろう。
これなら文書としての体裁も整うし、押印のために出社する必要もなくなる。
というわけで、ここでは、手軽に電子印鑑(スタンプ)を作成できるフリーソフトを3本紹介しよう。
●クリックスタンパー:サンプルから手軽にオリジナル印鑑を作れる
会社印や個人の署名印を簡単に作成できるツールが「クリックスタンパー」だ。
起動すると、[共通]タブと[日付印]タブが表示される。
新しい電子印鑑を作るには、[ファイル]−[新規作成]を選択する。
[日付印]を選択すれば日付印、[丸印・角印]を選択すれば会社印などの文字の入った印鑑を作成できる。
[ファイル]−[新規作成]を選択すると表示される画面。
手っ取り早く作りたいなら、ツールバーの[開く]をクリックし、「サンプル」フォルダ内にあるサンプルファイル(拡張子は.csgen)を読み込むといい。「加藤」「会社員」「丸秘」などのサンプルファイルが用意されているので、それを読み込んだあと、編集して新しい電子印鑑を作成すると効率的だ。
なお、「サンプル」フォルダはダウンロードしたファイルを解凍するとできる「ClickStamper_150」フォルダの下に用意されている。
さまざまなサンプルファイルが用意されている。サンプルを編集して作成すると効率的だ。
作成・編集方法は、[共通]タブで色やフォント、枠線の太さなどを設定し、[日付印]タブ/[丸印・角印]タブで文字を設定する。設定するとプレビューにすぐに反映されるので、それを参考にしよう。
作成した電子印鑑は、ツールバーの[クリップボードにコピー]でクリップボードにコピーできる。また、[ファイルに出力]でEMF/PNG/JPEG/BMP/GIFの画像ファイルに出力できる。出力する画像ファイルのフォーマットは、[共通]タブで設定可能だ。
作った電子印鑑をファイルとして保存しておくこともできるので、繰り返し編集することも可能だ。シンプルで使いやすいツールなので、個人から企業までおすすめできる。
[共通]タブでは色やフォントなどの共通項目を設定する。出力する画像形式も指定できる。
●クリックスタンプ:三文判や2分割印も簡単に作成できる
日付の入ったデート印、三文判、丸印・角印などを、用意されているタブの項目を設定するだけで作成できるツールだ。
たとえば[デート印]タブでは、中央部分に日付、上下に文字の配置された電子印鑑を作成できる。プレビューを見ながら表示する文字、名前、文字のフォント、半径、枠の太さなどを設定するだけだ。
[デート印(代理)]や[三文判]タブなどの設定方法も同様だ。すべてプレビューが表示されるので、それを確認しながら設定しよう。
作成した電子印鑑は、メニューの[印影保存]をクリックすると画像ファイルとして保存できる。対応しているフォーマットはBMP、PNG、JPG、EMFの4種類だ。
また、[設定保存]で現在の各タブの設定を拡張子「.csp」のファイルに保存しておくことができる。
[設定復元]をクリックすれば、保存した設定ファイルを読み込める。
複数の設定を保存しておけば、さまざまな電子印鑑を作っておき、呼び出して活用できるだろう。
クリックスタンプ。各タブで設定してオリジナルの電子印鑑(スタンプ)を作成できる。
[三文判]タブ。文字、フォント、枠の縦横、枠色、太さなどを細かく設定できる。
メニューの[環境設定]をクリックすると、動作をカスタマイズすることもできる。
●Excel電子印鑑:セルの右クリックから押印できる便利ツール
Excelのシートにさまざまな電子印鑑(スタンプ)を貼り付けられるアドインプログラムが「Excel電子印鑑」だ。
セルの右クリックメニューから選択して挿入できるので、Excelで作成した請求書や見積書などが多い場合は、重宝するだろう。
作者のサイトから「EXSTAMP.zip」というファイルをダウンロードしたら解凍し、できたファイルの「アドインインストール用.xls」を最初に実行する。すると、次のような画面が表示されるので、[インストール]をクリックすればインストールされる。
[インストール]をクリックするとアドインプログラムがインストールされる。アンインストールするときは、[アンインストール]をクリックする。
インストール後は、適当なセルを右クリックしてメニューから[Excel電子印鑑]−[印鑑設定]を選択し、各タブで必要な設定をしておこう。たとえば[認印]タブで自分の姓名、[データ印]タブで「営業部」「総務部」などの語句を設定しておけば、右クリックメニューから電子印鑑をすぐに挿入できるようになる。
なお、[ビジネス印押印]では、「社外秘」「重要」などの文字を選択するパネルが表示される。
また、[その他]タブで[リボンにタブを表示し、ボタン操作可能にする]をチェックすれば、印鑑を挿入するボタンの用意された[印鑑]タブが追加される。
筆者の環境では、設定画面を表示する際や[認印]タブの[名前]を設定する際に何度かエラーが発生した。筆者固有の問題なのかどうか判別できないが、利用する際には注意してほしい。
セルの右クリックメニューから電子印鑑を挿入できるようになる。最初は[印鑑設定]を選択して必要な項目を設定する。
設定画面。各タブで項目を設定しておく。
右クリックメニューから選択するだけで電子印鑑を挿入できる。[ビジネス印押印]を選択すると、「社外秘」「重要」などの文字を選択するパネルが表示される。
[印鑑]タブを追加してボタンで挿入することも可能。
なお、電子印鑑を作成できるツールやWebサービスは、上記のほかにもたくさんある。
興味があれば、ぜひ検索してみてほしい。
・クリックスタンパー
・クリックスタンプ
・ Excel電子印鑑
井上健語(フリーランスライター)
こんな声が発端となって、押印廃止の動きが活発化している。
押印そのものを廃止するのも1つの方法だが、電子印鑑を利用すれば、わざわざ出社しなくても書類にハンコを押すことは可能だ。
ここでは、オリジナルの電子印鑑を作成できる3つのツールを紹介する。
●押印廃止には"電子印鑑"で対応
緊急事態宣言で在宅勤務が推奨されているのに、書類にハンコを押すために出社せざるをえない……。
こうした声をきっかけに、書類の押印をなくす動きが活発になっている。
以前からハンコはペーパーレス化を阻害する要因として批判は多かったが、それが今回のコロナ禍で一気に噴出したカタチだ。
もともと、契約書をはじめとする多くの文書は、押印がなくても問題ないものが多い。
今後は、押印が省略されることが増えると予想されるが、請求書や領収書、稟議書や交通費精算書……等々、まだ多くの文書には押印の欄が用意されているのが一般的だ。
ハンコを押さないで空欄のままにするのも1つの方法だが、オリジナルの電子印鑑を作って貼り付けるのもアリだろう。
これなら文書としての体裁も整うし、押印のために出社する必要もなくなる。
というわけで、ここでは、手軽に電子印鑑(スタンプ)を作成できるフリーソフトを3本紹介しよう。
●クリックスタンパー:サンプルから手軽にオリジナル印鑑を作れる
会社印や個人の署名印を簡単に作成できるツールが「クリックスタンパー」だ。
起動すると、[共通]タブと[日付印]タブが表示される。
新しい電子印鑑を作るには、[ファイル]−[新規作成]を選択する。
[日付印]を選択すれば日付印、[丸印・角印]を選択すれば会社印などの文字の入った印鑑を作成できる。
[ファイル]−[新規作成]を選択すると表示される画面。
手っ取り早く作りたいなら、ツールバーの[開く]をクリックし、「サンプル」フォルダ内にあるサンプルファイル(拡張子は.csgen)を読み込むといい。「加藤」「会社員」「丸秘」などのサンプルファイルが用意されているので、それを読み込んだあと、編集して新しい電子印鑑を作成すると効率的だ。
なお、「サンプル」フォルダはダウンロードしたファイルを解凍するとできる「ClickStamper_150」フォルダの下に用意されている。
さまざまなサンプルファイルが用意されている。サンプルを編集して作成すると効率的だ。
作成・編集方法は、[共通]タブで色やフォント、枠線の太さなどを設定し、[日付印]タブ/[丸印・角印]タブで文字を設定する。設定するとプレビューにすぐに反映されるので、それを参考にしよう。
作成した電子印鑑は、ツールバーの[クリップボードにコピー]でクリップボードにコピーできる。また、[ファイルに出力]でEMF/PNG/JPEG/BMP/GIFの画像ファイルに出力できる。出力する画像ファイルのフォーマットは、[共通]タブで設定可能だ。
作った電子印鑑をファイルとして保存しておくこともできるので、繰り返し編集することも可能だ。シンプルで使いやすいツールなので、個人から企業までおすすめできる。
[共通]タブでは色やフォントなどの共通項目を設定する。出力する画像形式も指定できる。
●クリックスタンプ:三文判や2分割印も簡単に作成できる
日付の入ったデート印、三文判、丸印・角印などを、用意されているタブの項目を設定するだけで作成できるツールだ。
たとえば[デート印]タブでは、中央部分に日付、上下に文字の配置された電子印鑑を作成できる。プレビューを見ながら表示する文字、名前、文字のフォント、半径、枠の太さなどを設定するだけだ。
[デート印(代理)]や[三文判]タブなどの設定方法も同様だ。すべてプレビューが表示されるので、それを確認しながら設定しよう。
作成した電子印鑑は、メニューの[印影保存]をクリックすると画像ファイルとして保存できる。対応しているフォーマットはBMP、PNG、JPG、EMFの4種類だ。
また、[設定保存]で現在の各タブの設定を拡張子「.csp」のファイルに保存しておくことができる。
[設定復元]をクリックすれば、保存した設定ファイルを読み込める。
複数の設定を保存しておけば、さまざまな電子印鑑を作っておき、呼び出して活用できるだろう。
クリックスタンプ。各タブで設定してオリジナルの電子印鑑(スタンプ)を作成できる。
[三文判]タブ。文字、フォント、枠の縦横、枠色、太さなどを細かく設定できる。
メニューの[環境設定]をクリックすると、動作をカスタマイズすることもできる。
●Excel電子印鑑:セルの右クリックから押印できる便利ツール
Excelのシートにさまざまな電子印鑑(スタンプ)を貼り付けられるアドインプログラムが「Excel電子印鑑」だ。
セルの右クリックメニューから選択して挿入できるので、Excelで作成した請求書や見積書などが多い場合は、重宝するだろう。
作者のサイトから「EXSTAMP.zip」というファイルをダウンロードしたら解凍し、できたファイルの「アドインインストール用.xls」を最初に実行する。すると、次のような画面が表示されるので、[インストール]をクリックすればインストールされる。
[インストール]をクリックするとアドインプログラムがインストールされる。アンインストールするときは、[アンインストール]をクリックする。
インストール後は、適当なセルを右クリックしてメニューから[Excel電子印鑑]−[印鑑設定]を選択し、各タブで必要な設定をしておこう。たとえば[認印]タブで自分の姓名、[データ印]タブで「営業部」「総務部」などの語句を設定しておけば、右クリックメニューから電子印鑑をすぐに挿入できるようになる。
なお、[ビジネス印押印]では、「社外秘」「重要」などの文字を選択するパネルが表示される。
また、[その他]タブで[リボンにタブを表示し、ボタン操作可能にする]をチェックすれば、印鑑を挿入するボタンの用意された[印鑑]タブが追加される。
筆者の環境では、設定画面を表示する際や[認印]タブの[名前]を設定する際に何度かエラーが発生した。筆者固有の問題なのかどうか判別できないが、利用する際には注意してほしい。
セルの右クリックメニューから電子印鑑を挿入できるようになる。最初は[印鑑設定]を選択して必要な項目を設定する。
設定画面。各タブで項目を設定しておく。
右クリックメニューから選択するだけで電子印鑑を挿入できる。[ビジネス印押印]を選択すると、「社外秘」「重要」などの文字を選択するパネルが表示される。
[印鑑]タブを追加してボタンで挿入することも可能。
なお、電子印鑑を作成できるツールやWebサービスは、上記のほかにもたくさんある。
興味があれば、ぜひ検索してみてほしい。
・クリックスタンパー
・クリックスタンプ
・ Excel電子印鑑
井上健語(フリーランスライター)