Googleの新型ミッドレンジスマホ「Pixel 4a」登場! ハイエンドに肉薄する性能と4万円強の低価格の戦略性を探る

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●Googleの新型ミッドレンジスマホ「Pixel 4a」登場!
Googleは8月3日(現地時間)、価格を抑えた新型のミッドレンジスマートフォン「Pixel 4a」を発表しました。

Pixel 4aは、日本では8月20日の発売が予定されており、
・オンラインショップのGoogleストア(SIMフリー版)
・ソフトバンクショップ
これら2つの販路となっています。
またGoogleストアでは14日より予約受付も開始されています。

価格はGoogleストアで42,900円(税込)。
ストレージ容量や本体カラーなどのバリエーションはなく、1機種のみの販売となります。


Androidスマートフォンの本命となるか?



●安いだけじゃない! さまざまに改良が加えられた意欲機
Pixel 4aは2019年10月に発売されたスマートフォン「Pixel 4」の廉価版という位置付けのモデル。
2019年5月に発売されたスマートフォン「Pixel 3a」の後継にあたります。

Pixel 4aは、Pixel 4の廉価版と言っても、
・本体の縦幅は144mmで3.1mm小型化
・画面サイズは5.7インチから5.8インチに大型化
・本体重量は143gで19g軽量化
・バッテリー容量は2,800mAhから3,140mAhに大容量化
・イヤホン端子の搭載(Pixel 4は非搭載)
このように、より扱いやすいモデルとして改良が数多く施されています。

また、Pixel 3aと比較しても画面サイズの大型化や軽量化に加えて、SoCがQualcomm製「Snapdragon 730G」へと大幅に強化されています。

一方、防水性能やワイヤレス充電機能はPixel 3aに引き続きオミットされており、上位モデルとの差別化のポイントとなっています。


インカメラはオシャレで目立たないパンチホールデザイン


アウトカメラは約1220万画素・デュアルピクセルCMOSセンサーのカメラが1基のみとなっており、ここもPixel 4との差別化ポイントです。
しかし機能面ではPixel 4と同等に、
・デュアル露出補正機能付きHDR+
・ポートレートモード
・トップショット
・超解像ズーム
・天体写真の撮影も可能な夜景モード
このように充実した撮影を楽しめます。


光学手ブレ補正も搭載しており、HDR+や超解像ズームと合わせて便利に使えそうだ



●ライバルは第2世代iPhone SEと中国系スマートフォン
Pixel 4aは、これだけの性能を持っていながら4万円強という挑戦的な価格設定である点が最大の魅力です。

ハイコストパフォーマンスのスマートフォンと言うと、真っ先に思いつくのは第2世代iPhone SEです。
こちらもSoCなどは上位モデルであるiPhone 11 Proと同じハイエンド部品を搭載しつつ、44,800円(税別)という圧倒的な低価格で話題を呼びました。

ところが、この2機種を内蔵ストレージ容量128GBで合わせ、オンラインストアの税込価格で比較すると、
・Pixel 4a:42,900円
・第2世代iPhone SE:54,780円
このように、1万円以上も価格差があることが分かります。


スッキリとした全画面ディスプレイデザインである点も、第2世代iPhone SEに対するアドバンテージだ


第2世代iPhone SEはハイエンドSoCを採用しているのに対し、Pixel 4aではミッドレンジSoCである点を考えれば妥当な価格差かもしれません。
しかし、最新の3Dゲームなどを遊ぶ目的でなければ、その性能差を強く感じることはほとんどないでしょう。

とくに、Pixel 4aで採用されているSoC「Snapdragon 730G」は、グラフィックス性能が強化された製品でもあり、ミッドレンジSoCの中でも3D表現の処理性能が高めです。
最新の3Dゲームを最高性能で楽しむには若干厳しいですが、標準以上の高品位な画質とプレイフィールを得るには十分すぎる性能と言えます。


1世代前のハイエンドSoCに匹敵する性能を持つSnapdragon 730G


SIMフリーのAndroidスマートフォン市場は、
・HUAWEI
・OPPO
・Xiaomi
これらの中国系メーカーの台頭によって、中〜低価格帯で激戦区となっています。
その中で価格や性能を比較すると、Pixel 4aは特筆するほどのハイコストパフォーマンスというわけではありません。

しかし、Googleというブランド力に、安心や信頼を感じる消費者は少なくないでしょう。

本体背面には指紋認証センサーも搭載しており、新型コロナウイルス感染症問題(コロナ禍)によって使いづらくなった顔認証よりも利便性は高く感じます。

コロナ禍によって世帯収入や仕事も不安定になる中、敢えてスマートフォンを買い換えなければいけないという状況であるなら、一考に値する良機種ではないでしょうか。


執筆 秋吉 健