Xiaomi最新スマートバンド「Mi Band 5」レビュー。ヘルスケア機能の強化でより本格的に進化

日本市場へ進出後、着実にユーザーを増やしている中国の総合家電メーカーXiaomi(シャオミ:小米科技)。昨年同様、今年も6月11日に新型スマートバンドのMi Band 5を発表、中国国内では6月18日に発売されています。筆者は発表直後に予約し、何とか初期ロットを入手。輸送についても問題なく、6月23日に手元へ到着しました。

▲発表と同時にXiaomiオンラインショップで予約。昨年同様、初期ロットのベルトはブラックのみ。価格は約2900円。現在もまだ入手難で、少量入荷してもすぐに売り切れてしまっているようです。
▲パッケージの大きさはMi Band 3や4と同じ。箱のトーンが1色になりました。これまでバンドの色に合わせて箱の色も変わっていましたが、5の場合はどうなるのかまだわかりません。

Mi Band 4の発表からちょうど1年。世界中で順調に売れたようで、米IDCの調査によると2020年第1四半期の世界ウェアラブルデバイスマーケットシェアは14.0%。昨年よりもシェアを伸ばしており、ランキングも2位をキープしています。ちなみにXiaomiはリストバンド型デバイスだけで昨年730万個を出荷したそうです。

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充電スタイルがスマートに改良!

さて、Mi Band 4と比較しても見た目には違いがわからないMi Band 5ですが、本体サイズはほんの僅かに大きくなりました。あわせてディスプレイが0.95インチから1.1インチへ約20%大きく、解像度も120×240ピクセルから124×294ピクセルにアップ。フルカラーAMOLEDを採用するのはMi Band 4と同じです。

▲Mi Band 4(左)とMi Band 5(右)のコアユニット。Mi Band 5の方が僅かに幅広になりました。ディスプレイ面積は明らかに大きくなっているのがわかります。
▲Mi Band 4(左)とMi Band 5(右)のコアユニット裏側。なぜか裏側だと大きさの違いが分かりやすいです。中央にあるのは心拍センサー。下部には充電用端子があります。
▲Mi Band 5(左)とMi Band 4(右)のバンドの違い。材質はいずれもTPUですが、Mi Band 5の方がやや柔らかくしなやかです。
▲装着感は従来とそれほど変わりません。ディスプレイの輝度が僅かにアップしましたが、晴天の屋外で見づらいのは変わらず。ディスプレイ表面のコーティングが良くなったのか、指滑りがとても良いです。

Mi Band 5も従来のモデルと同じ様に、コアユニットとバンドの2ピースで構成されています。これまでコアユニットを外さなければできなかった充電は、マグネットで接続するタイプの専用コネクタへと変わり、バンドから外すことなく行えるようにになりました。この充電器はMi Band 5専用。ちなみに防水レベルはMi Band 3以降モデルと同じ5気圧(水深50m相当)です。

▲充電器はホルダータイプからマグネットタイプに。バンドからコアユニットを外さなくても簡単に充電できるようになりました。コアユニットの頻繁な脱着でバンドが伸びてユルユルになる心配もありません。

コアユニットはブラックのみですが、ベルトは全8色が用意されています。ただ、発売直後の現在はブラックしか選択できません。供給が安定すればカラーパッケージも用意されるでしょう。ベルトには手首の太さに合わせて調整穴が13個、5mmピッチで空いています。素材はTPUで水分に強いため汚れても丸洗いできます。

Mi Band 3とMi Band 4では共有だったベルトは、コアユニットのサイズが大きくなったことで、Mi Band 5では専用となり、形状が少し変わりました。少し無理をすればMi Band 4のベルトに取り付けることもできますが、合わせ目が微妙にずれます。

▲公式サイトにあるカラーラインナップ。左からアクティブイエロー / ディープブルー / ブロンズパープル / スペースブルー / ベビーピンク / ライトグリーン / ダイナミックオレンジ / グラファイトブラック(日本語に無い表現の色は独自解釈)。

心拍測定が精度アップで各種運動時の測定が正確に

Mi Band 5の心拍センサーはMi Band 4と同じ光電式容積脈波(PPG)タイプが搭載されています。データサンプリングのアルゴリズムが改良され、特にモニタリング精度が向上しています。ちなみに心拍異常時の監視・検出精度で約50%、覚醒・睡眠時の検出精度も約40%向上とのこと。心拍解析アルゴリズムの改良により、各種スポーツ時においても正確な測定が可能になりました。そのため標準のスポーツ項目にローイングマシーン、ヨガ、縄跳びが加わり合計で11種類に増えています。

▲標準でサポートされるトレーニングメニュー。左上からローイングマシーン / クロストレーナー / ヨガ / 屋外ジョギング / 屋外自転車 / 水泳 / 室内自転車 / 縄跳び / トレッドミル / ウォーキング / フリースタイルトレーニング。

内蔵の三軸加速度センサーと、三軸ジャイロによる測定精度についてはMi Band 4と同様ですが、心拍と同様に内蔵ソフトウェアの改良で歩数計の測定誤差もかなり減った感じです。Mi Band 4の時には、移動時に徒歩と電車・自転車など複数を利用すると、歩数計のカウントが正しく行われないことがありましたが、Mi Band 5ではそれらが改善されていました。

ハードウェア面では充電機構以外に大きな変化はそれほどありませんが、Mi Band 5では心拍データを徹底的に活用するヘルスケアにも注目です。24時間常時モニタリングされる心拍データから、心臓の異常状態はもちろん、運動・睡眠・ストレスレベルも数値化をしてくれます。

▲心拍計は24時間常時動作していますが、手動でも測定可能です。スクロールすることで心臓の状態やこれまでのどの位の負荷が掛かってきたかを確認できます。データは1日分で、毎日0時でリセットされます。過去のデータはスマートフォン側で確認可能。
▲新たに加わったストレスレベル計。心拍測定時に解析されて、1から100までの数値で表現されます。0時から起算し、その時点までのストレス内容を表示してくれます。ストレスレベルが高い時の為に深呼吸ガイドも加わりました。1分から5分までの間でガイドをしてくれます。

Mi Band 5では、心拍データと他のセンサー、ジャイロのデータとも組み合わせて身体の活動状態を数値化し、運動状況の監視や運動強度のアドバイスをするPAI (Personal Activity Intelligence)機能が加わり、あらかじめ登録した年齢 / 性別 / 身長 / 体重に合わせて最適な運動指標を表示してくれます。

また、女性のために生理周期への対応も加わり、先のPAIと組み合わせる事で体調に合わせた適切なヘルスケアが可能になりました。こうした機能追加のため、Mi Band 4よりも項目が増えていますが、表示する内容は自分の生活スタイルに合わせて変えられるため、シンプルさは従来通りです。

専用アプリは既にMi Band 5に対応

Mi Band 5の本体設定や管理、データの活用については従来通りの専用純正アプリ「Mi Fit」を利用します。これまでMi Bandシリーズを使用していたならば、記録データや測定設定などをそのままMi Band 5へ移行できます。セットアップ時にMi FitからMi Band 5を新たにペアリングするだけでOK。現行のバージョン4.2.1は既にMi Band 5に対応しており全て日本語で使えます。

▲Mi Fitは完全に日本語化されているので、全ての機能をフルに使用できます。最新バージョンでは、Mi Band 5にも対応しているので、ペアリングをするだけ。複数のバンドとのペアリングも可能ですが、使用できるのは1つのみです。

Mi Fitアプリと組み合わせると、Mi Band 5で収集したさまざまなデータを、スマートフォンの広い画面で確認できるようになります。過去のデータも閲覧できます。iOSではヘルスケア、AndroidではGoogle FItとの連携が可能になりますので、データの活用範囲は広くなります。

▲広い画面を活かして24時間分ので心拍の状態を可視化してくれるので、1日を通して心拍の変化や負荷の具合などを確認できます。
▲ストレスレベルについても24時間分を表示します。寝ている時はリラックスしていて仕事が忙しくなるとストレス負荷が高くなっているので確かにそのとおりでした……。
▲睡眠モニターにレム睡眠が加わり、より詳細な解析とスコアが付けられるようになりました。レム睡眠は深い眠りの状態にも関わらず脳波が起きているような状態で、多くが夢を見ている時と言われています。
▲心肺機能に適切な負荷を与えてトレーニングすることで、健康状態を維持できるPAIは、1週間を通してトレーニングの状態を記録して反映します。今どれくらい運動が必要か目標を表示してくれますが、なかなか厳しい内容です。

Mi Band本体の言語についてはこれまでスマートフォン側の言語表示に依存していました。しかし、Mi Band 5からは本体で中国語(簡体字、繁体字)と英語の3つが選択できるように。以前は中国大陸版を購入すると日本語環境では簡体字しか使えないという状況でしたが、英語表示できるようになることで、使い勝手も格段に良くなりました。

▲地味ですが、嬉しい機能が言語表示の切り替え機能。切り替えはMi Fit側から行えます。

Mi Band 5とスマートフォンとの接続はBluetooth 5.0 LEです。iOS 10.0以降、Android 5.0以降のスマートフォンに対応しています。現在発売されている中国語版については、残念ながら技適は未承認ですが、7月に予定されているグローバル版では対応が噂されています。Xiaomiは日本法人もありますので、日本語版の発売にも期待が持てます。

NFC搭載モデルなら機能が強化されるが……

Mi BandにはNFC内蔵仕様のモデルも別途用意されています。これはバスや電車などの公共交通機関のカード、セキュリティゲートの鍵、クレジット(デビッド)カードをあらかじめ登録することで、Mi Bandを経由して各種サービスを活用できるわけです。ただ、これまでは中国国内での使用に限定されていましたし、今回特に変更などがあったわけでもないため、残念ながら日本国内で使えるものはなさそうです。中国では8月にアップデートが入るようなので、今は様子を見たいと思います。

▲公式サイトではNFCの使用範囲が広まった事を知らせていますが、全て中国大陸内での話。中国外で使える望みは薄いですが、使えるようになればかなり面白い機能です。
▲Mi Band 5とMi Band 4のスペック比較。

また、Mi Band 4から搭載された「Xiao AI」ですが、NFC内蔵モデルならばマイクが内蔵されているため、声でアシスタントを起動し、各種操作を行えます。また、接続されたスマートフォンからの天気情報やワークアウトの開始、終了。Xiaomi製のIoT家電の設定や操作などにも対応しています。ただし、入力は中国語と英語のみ。

そのほか便利な機能として、Mi Band 4から採用されたオーディオリモコン機能と、今回追加されたシャッターボタン機能があります。オーディオリモコンはその名の通り、スマートフォンで再生中の音楽の操作がMi Bandで行えるというもの。Mi Bandには曲名も表示されます。シャッターボタンはペアのスマートフォンのシャッターを切るもので、集合写真やソロでの撮影時に重宝しそうです。

▲オーディオリモコン機能。画面は小さいですが、ひと通りの操作ができます。
▲シャッターボタン機能はスマートフォン側のカメラ起動時に有効となります。

シンプルさが売りのMi Bandですが、価格からは想像できないほどに本格的なウェアラブルツールとして進化しました。気軽に健康状態をモニターするのであれば、自信を持って薦められるデバイスです。

▲毎回コラボモデルが発売されますが、今回は「スポンジボブ・スクエアパンツ」「新世紀エヴァンゲリオン」「名探偵コナン」「初音ミク」をイメージしたパックも登場予定。

今回のレビューに使用したMi Band 5は、総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設(電波法第4条の2第2項)」を届け出た上で使用しています。

この無線設備は、電波法に定める技術基準への適合が確認されておらず、法に定める特別な条件の下でのみ使用が認められています。この条件に違反して無線設備を使用することは、法に定める罰則その他の措置の対象となります。

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