新世代Galaxy S20シリーズは、8K動画やゲーム機化などスマホの新たな使い方を生み出す

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サムスン電子製の5G対応スマートフォン「Galaxy S20 5G」および「Galaxy S20+ 5G」が NTTドコモおよびauから発売となった。

新製品Galaxy Sシリーズは、早い段階から画面端を立体的に折り曲げた先進的な技術を取り入れ、尚かつそれを操作方法として取り入れたエッジスクリーンや、前面の画面占有率を極限まで高めたデザインが特徴のハイエンドモデルである。


画面端を折り曲げることで外枠を極限まで減らすことに成功している


チップセットにはQualcommのハイエンド向け「Snapdragon 865」を搭載し、先代モデルよりもさらにパフォーマンスを向上させている。この最新チップセットは、高度なイメージ処理も可能としており、特にカメラ機能では8K(7,680×4,320ドット)の動画撮影を実現した。

8Kテレビもまだ普及していないのに、スマートフォンにこんな高画素は必要ないのではと思うかも知れない。確かにその通りで、8Kや4Kの映像はスマートフォンの画面でも縮小しなければ全体を見ることもできない巨大な映像だ。

しかしながら、8K映像なら4K(3,840×2,160ドット)動画の4画面分の広さをもち、FHD(1,920×1,080ドット)動画ならなんとか16画面分の広さを持つ。つまり、FHD映像なら8K映像から、4倍ズーム相当の1920×1080ドットにトリミングしても画質劣化することなく視聴や利用が可能なのである。


8Kで撮影した動画から4Kの範囲をトリミング



4Kサイズにトリミングすれば望遠レンズを使ったような効果を得ることができる。これをさらにFHDサイズにリサイズすれば映像としても実用性があがるだろう



8Kの動画からFHDサイズにトリミング



元の映像が甘いのだが、レインボーブリッジのさらに奥には品川の貨物ターミナルが見える


YouTubeなどの投稿動画制作も8Kで全体を撮影し、後から被写体のクローズアップを自由に切りだすといった使い方もできる。もちろん8Kともなれば映像処理も重いため、動画編集用の機材もハイエンドなPCが要求されるのだが、これまで複数台のカメラで行った撮影をSnapdragon 865を搭載したスマートフォン1台で実現できるとなれば、映像制作での可能性も夢も広がるように思う。


Galaxy S20+ 5Gには1,200万画素の超広角、広角カメラと6,400万画素の望遠カメラ、距離を測る深度測位カメラの4つのカメラを搭載する


最新モデルのGalaxy S20 5G、Galaxy S20+ 5Gは、もちろん8K動画の撮影にも対応しており、誰でも簡単に8Kで約24コマの映像記録が可能だ。24コマは動きの滑らかさは劣るものの、映画のコマ数に近いため非日常的な映像となることを上手くいかしてみるのも良いだろう。さらに8K撮影以外でも4Kの解像度なら滑らかな60コマの撮影も可能だ。
8Kも4Kも大変処理が重くチップセットやイメージセンサーにも負荷が高いのだが、今回試用したGalaxy S20+ 5Gは撮影中に熱で止まることなく、30分以上の撮影もらくらくこなすことができた。

Galaxy S20+ 5Gで撮影した8K動画


古いスマートフォンなら動画の撮影時間が5分までなど、限られた時間しか撮影できない機種もあったのだが、8Kの解像度で自由自在に撮影できることに驚いた。

Snapdragon 865の処理能力の高さも要因としてあるが、それに加えてGalaxyシリーズが追求してきた放熱処理も安定動作につながっているのだろう。

処理能力の高さはイメージ処理だけではない、最新の3Dグラフィックス処理と12GBの内蔵メモリー(RAM)を搭載しているため、スマートフォンとしての動作は快適で、ゲームも高品質なグラフィックスで楽しめる。

Galaxy S20+ 5Gは、約6.7インチの大画面であるためゲームとの相性も抜群に良い。バトルロイヤルゲームでは、画像処理能力の高さが勝敗を決めることもある。熱で遅くなることなく高いフレームレートでゲームを表示し続けること、そして高い解像度で情報を表示できることが重要だ。

さらに、通信速度が勝負のカギを握る。まだサービスとしての評価は難しいが、5G接続ならWi-Fiがない環境でも低遅延の高速通信が利用可能となるため、いつでも何処でもゲームが楽しめる。eスポーツの練習としての長時間プレイという需要にも対応できそうだ。

高性能だけではなく、ハードウェアの対応でオンライン性能も追いついてきたので、5G対応ハイエンドスマートフォンの登場はeスポーツ選手を目指すユーザーには追い風となっているように思う。

さらに、ゲーミング機能でオススメなのが、USB Type-C端子からのHDMI出力だ。スマートフォンの画面をTVに出力して大画面と迫力のサウンドで楽しむことができるようになる。

さらにBluetooth接続のゲームパッド(※対応ゲームが必要)があれば、スマートフォンのゲームが家庭用ゲーム機のように操作も可能だ。

そのほか、現在βテストサービス中のNVIDIAの「GeForce NOW」というPC向けのゲームが楽しめるクラウドゲーミングサービスは、Androidスマートフォンにも対応している。Galaxy S20+ 5GのTV出力機能を使って、ハイエンドゲーミングPCなみの高度なグラフィックス処理を楽しむのも良いだろう。


PC向けのゲームがスマートフォンでも楽しめるGeForce NOW。ゲームパッドがなくてもバーチャルゲームパッドで操作可能だ


新型コロナウィルスによる外出自粛では、家でやることがなくなってしまいがちだが、スマートフォンをTVにつないでゲームを楽しむというスタイルは、在宅での過ごし方においても実用的だと感じた。
このような状況でなければ思いつかなかったが、こうしたクラウドゲーミングサービスと最新のハイパフォーマンススマートフォンをテレビにつなげばゲーム機になるというのはうれしい発見だ。

リビングにゲーミングデスクトップPCを持って行って遊ぶのは面倒だが、スマートフォンとゲームパッドがあれば、ほぼ同じことが実現できる。

今後、スマートフォンを選ぶ際に、TV出力ができるかどうか?
これも選択肢として入れても良いなと思った。端末メーカーも、この機能はセールスポイントとしてアピールしても良いのではないだろうか。


執筆  mi2_303