ビアレストラン「レバンテ」(帝国データバンク撮影)

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 (株)レバンテ(TDB企業コード:981420907、資本金1000万円、東京都中央区築地1-3-3、代表河村高滋氏)は、3月25日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は松原健一弁護士(東京都中央区銀座3-4-1、安西法律事務所、電話03-3563-3225)。債権届け出期間は4月22日まで。

 当社は1947年(昭和22年)3月に創業、53年(昭和28年)12月に法人改組。旧財閥系の商社として設立され、その後、長らく休眠状態となっていた。この間、別会社が運営するビアレストラン「レバンテ」が有楽町駅前の再開発により移転することとなり、同店舗の営業を承継するために、2003年3月に現商号に変更し、事業を再開。同年7月に東京国際フォーラム内に移転、オープンした。

 同ビアレストランは、日本におけるビアレストランの草分け的存在で、以前の店舗は小説家松本清張の『点と線』をはじめ、多くの小説の舞台にもなるなど高い知名度を有していたほか、牡蠣料理や大手ビールメーカーのビール工場から直送される生ビールが名物となっており、新年会や忘年会など宴会需要が好調だった2013年5月期には年売上高約1億6300万円を計上していた。

 しかし、近年は同業他社の新規出店などにより来客数の落ち込みを余儀なくされ、赤字決算が散発するなど厳しい運営を強いられるなか、新型コロナウイルスの影響で業況が悪化。先行きの見通しが立たなくなったことから、3月25日をもって閉店していた。

 負債は現在調査中。

 なお、都内の新型コロナウイルス関連の倒産はこれで3社目となる。